[簿記]ロードバイク購入についてPL、BSを考えてみる

お金の管理
投稿者は、長年勤めた会社員を辞め、個人事業主になったので、確定申告と言う面倒な申請を行う必要が発生しました
確定申告について
税金を払うために面倒なことをさせられていると考えがちですが、余計な税金を払わないようにするための申請だと考えるべき
簿記検定を取っておく
事業は複雑な取引がない業務だから、とりあえず簡単と言われる日商簿記3級試験を受けました
想像より難しい
数学の成績は悪くなったので、そんなに苦労せず合格するでしょうと思っていましたが。。。
収支内容を仕分けと言われる作業を行って、整理していく作業は、意味が分からないことだらけでした
試験落ちた
近くのパソコン教室でPCを使った試験を受けたのですが、ちゃんと勉強していったつもりが、規定点数に足りず、不合格でした
考え方を変えた
「なぜ?こんなことをしないといけないのか?」と言うのが、余計な思考をして拒絶している感覚は、受験勉強時の苦い記憶がよみがえり、このままではいけないと対策を考えました
「とりあえず、こういうルールだから、何も考えない」
ゲーム的な考え方に変えて、「このボタン操作で昇竜拳が出る」「ツボを見つけたら調べる」などそういうものだからと割り切って、再び勉強しました
合格
お金が入ったら、借方に仕分けるなど、ルール通りに当てはめるゲームだと考えたら、無事3級試験に合格しました
役に立っている
確定申告は、経理ソフトを使って入力しているだけなのですが、モノを買ったら項目に分けておく、報酬をもらったら収入を管理すると基本的なことはゲームだと思っているので、時間がかかる以外は面倒だと思いません
確定申告もソフトの指示通り入力して、受付開始前にはe-Taxで送って終わりました
忘れないように
簿記の知識は、ゲームのようなものだと思い込んでいるので、使い続けないと忘れてしまいそうです(どんなにやり込んだゲームも数か月~数年やらないと忘れます)
とりあえず身近なものでPL、BSを作ってみようと思います
PLとは?
PLは、日本語で損益計算書と言い、英語のProfit&Loss statementの頭文字を取ったもので、特定期間の企業(個人事業主)の収益活動の成果を一目で見られるようにした表です
BSとは?
BSは、日本語で貸借対照表と言い、英語のBalance sheetの頭文字を取ったもので、特定期間の企業(個人)の財務状況を一目で見られるようにした表です
セットで見るもの
PL・BSは2つでセットになる財務諸表(ステータス表)
ドラクエで、レベルや状態異常などを確認するステータス画面に表示される項目や数値で間違いないです
”MP”や”すばやさ”など、初見では意味不明だったけど、そのうち慣れていったと思いますので、こういうものであると覚えたらいいと思います
仕分け
仕分けも面倒な作業ですが、ルールに基づいて振り分けをします
ルール
分かりやすくするため、実際の仕訳帳とはフォーマットが違います
借方項目 | 借方金額 | 貸方項目 | 貸方金額 |
車両運搬具 | 100,000 | 現金 | 100,000 |
- 自分の手元に入ってくるものは左側(借方)
- 自分の手元から出ていくものは右側(貸方)
- 左右の金額は同じになる
- 項目は簿記内で決まった勘定項目を使用する
上記のルールを守って作業をするゲームですので、なぜ?などの理由はありません
ロードバイク購入シミュレーション
簿記の前置きが長くなりましたが、ロードバイク購入を仕分けして、財務諸表を作成します
ロードバイク購入=会社設立
ボーナスが入ったので、ロードバイクを購入(自転車社と言う会社を設立したと仮定)
ボーナス50万円支給され、憧れだったBianchiのロードバイク(30万円)を購入しました
では、仕分けから始めていきます
会社設立した(仕分け)
本来は資本金があるはずなのですが、今回は0円で考えます
借方項目 | 借方金額 | 貸方項目 | 貸方金額 |
現金 | 0 | 資本金 | 0 |
ボーナスを受け取った(仕分け)
ボーナスの勘定項目は「売上」です
借方項目 | 借方金額 | 貸方項目 | 貸方金額 |
現金 | 500,000 | 売上 | 500,000 |
売上と言う項目を相手に渡して、現金を自分の懐(財布)に入れた
「ボーナス袋は要らんから返す」「現金もらったらいいんだよ」
受け取ったのはボーナス(売上)と言う現金500,000円なのに、売上を渡すってなに?と混乱するかもしれませんが、現金支給の会社で袋は要らないから返したと考えたら分かりやすい
ロードバイクを買った(仕分け)
憧れのBianchiのロードバイクの勘定項目は「車両運搬具」
借方項目 | 借方金額 | 貸方項目 | 貸方金額 |
車両運搬具 | 300,000 | 現金 | 300,000 |
お店で現金払いをして、車両運搬具を手に入れた
お店へ行って財布からお金出して買い物をしたってイメージですね
自動車だろうが、憧れのBianchiだろうが、人や物を乗せて動くものは車両運搬具!理由などない全部そうするしかないんだ!と覚えてください
貸借対照表を作る
ボーナスが支給され、ロードバイク購入まで仕分けすることができました
次に行うことは、車両運搬具(ロードバイク)には減価償却費と言うものが存在します
※今回の貸借対照表は、ロードバイク購入後1年経った条件です
減価償却費を仕分ける
30万円で購入した車両運搬具を5年で減価償却することにします
減価償却とは
高価な資産を購入した費用を1年で経費は認めてもらえないので、数年に分けて経費にする仕組み(何かめんどくさいと思いますが、これもルールなので諦めてください)
借方項目 | 借方金額 | 貸方項目 | 貸方金額 |
減価償却費 | 60,000 | 車両運搬具 | 60,000 |
ロードバイク購入して1年経ったから、6万円価値が下がった
減価償却費は合計しておく
財務諸表を作るときに、減価償却費は年数を重ねた累計額を出しておく必要があります
借方項目 | 借方金額 | 貸方項目 | 貸方金額 |
減価償却費累計額 | 60,000 | 減価償却費 | 60,000 |
今回は1年目だし、項目は1つで要らない訳ではなく必要なものです。理由はありません必要です
PLを作る
損益計算書を作成して、1年後の会社経営状況を一目で見られるようにします
損益計算書って?
損益計算書は、以下のような情報が見られます(大まかに説明しています)
売上高 | 変動費 |
固定費 | |
納税額 | |
当期純利益 |
数字を入れてみる
ボーナス貰って、ロードバイクを買って、1年経った結果を反映します
売上高 | 売上 | 500,000 | 変動費 | 0 | |
固定費 | 減価償却費 | 60,000 | |||
納税額 | 0 | ||||
当期純利益 | 440,000 | ||||
合計 | 500,000 | 合計 | 500,000 |
- 売上は売上高に含まれます
- 減価償却費は固定費の中に含まれます
- 税金などはないと仮定します
50万円もらったけど、買ったロードバイクの価値が下がって、少しマイナスですね
BSを作る
貸借対照表を作成して、1年後の資産状況を可視化します
貸借対照表って?
貸借対照表は、以下のような情報が見られます(大まかに説明しています)
資産 | 負債 |
純資産 | |
利益余剰金 |
数字を入れてみる
ロードバイクなどの資産状況を確認します
資産 | 現金及び預金 | 200,000 | 負債 | 0 | |
車両運搬具 | 300,000 | 純資産 | 資本金 | 0 | |
減価償却費累計額 | △60,000 | 利益余剰金 | 440,000 | ||
合計 | 440,000 | 合計 | 440,000 |
減価償却費累計額の数字に△が付いていますが、これはマイナスを表しています(なぜ三角?そういうものです)
ロードバイクの価値が下がった分、自分の資産も減っていますね
PL、BSを見てみる
数字を確認すると、きっちりしたものになります
- 合計金額は左右(借方・貸方)同じ金額(PL、BS共通)
- 当期純利益と利益余剰金は同じ金額
財務諸表を作成すると、一目で会社(個人)の状態をお金と言う視点で確認できます
財務諸表作成時の法則
財務諸表を作成するのは決算作業なのですが、項目を右に書いたり左に書いたりと混乱しそうです
ここで簡単な覚え方を紹介します(投稿者はそう覚えた)
- PLに書くときは、仕分け項目が左右逆になる(借方・貸方が対になる)
- BSに書くときは、仕分け項目そのままでOK
- 自社の商品を売ることに直接関わったら経費、それ以外は資産
- 税と付いたら税金関係
サイクリング旅行をシミュレーション
ロードバイクを購入した翌月、1泊2日自転車旅行へでかけましたを貸借対照表に反映します
しまなみ海道へ車で出かけて高速料金3万円・ガソリン代1万円かかりました
現地では1万円の宿に泊まって、家族へのお土産として一六タルト(5千円)を買った
また現地の飲食代として5千円使いました
以上の旅行を仕分けていきます
交通費(仕分け)
高速道路料金は旅費交通費で、ガソリン代は車両費になります
借方項目 | 借方金額 | 貸方項目 | 貸方金額 |
旅費交通費 | 30,000 | 現金 | 40,000 |
車両費 | 10,000 |
ガソリンは車両だし、高速料金は旅費交通費と分かりやすく納得して仕分けできます
宿泊費(仕分け)
宿泊費は、各会社などで項目が変わりますが、今回は旅費交通費にします
借方項目 | 借方金額 | 貸方項目 | 貸方金額 |
旅費交通費 | 10,000 | 現金 | 10,000 |
自分でルールを決めたので、迷うことはない
おみやげ(仕分け)
おみやげ代は宿泊費同様、会社によって仕分け先が違うので、接待交際費にします
借方項目 | 借方金額 | 貸方項目 | 貸方金額 |
接待交際費 | 5,000 | 現金 | 5,000 |
自分でルールを決めたので、迷うことはない
飲食代(仕分け)
個人の飲食代は経費にはできないのですが、自転車社はサイクリングが仕事だとします
仕分け先は交際費にします(個人でなければ福利厚生費かな?)
借方項目 | 借方金額 | 貸方項目 | 貸方金額 |
接待交際費 | 5,000 | 現金 | 5,000 |
自分でルールを決めたので、迷うことはない
貸借対照表を作る(2回目)
自転車旅行を貸借対照表に反映します
PLに反映
経費が発生したので、各項目を反映します
売上高 | 売上 | 500,000 | 変動費 | 旅費交通費 | 40,000 |
車両費 | 10,000 | ||||
接待交際費 | 10,000 | ||||
固定費 | 減価償却費 | 60,000 | |||
納税額 | 0 | ||||
当期純利益 | 380,000 | ||||
合計 | 500,000 | 合計 | 500,000 |
経費が増えたので、純利益が減りました
BSに反映
旅費交通費などで現金を使った、その数字を反映します
資産 | 現金及び預金 | 140,000 | 負債 | 0 | |
車両運搬具 | 300,000 | 純資産 | 資本金 | 0 | |
減価償却費累計額 | △60,000 | 利益余剰金 | 380,000 | ||
合計 | 380,000 | 合計 | 380,000 |
お金を使ったから、資産が減った・・・数字で見るとリアルに感じる
数字が反映されると面白い
自転車旅行へ出かけて経費6万円かかり、その結果、自転車社の資産が減っているのが目に見えて分かります
経費もどれだけ使っているか、収入に対してどれぐらいお金を使って、現金はいくらある、自転車は資産にしているけど、価値は年々下がっているなどなど、可視化されて面白い(怖い?)です
まとめ
簿記検定3級に合格したけど、面倒だと思う内容を忘れないように、身近な行動を仕分けてし、財務諸表を作成しました
簿記の知識は有利
お金の計算は地味に思うかもしれませんが、どれくらいの収入に対して、支出はどれくらいか、資産状況はどうなっているかなどを可視化できるのは、今後の家計や自分の仕事の未来を設計しやすいと思います
資産は常に価値があるのか?
減価償却費の考え方は、会社の帳簿上の価値が数年で0円になる(大体の会社は1円にして項目は残している場合が多い)というのが、今回例に挙げたロードバイクも市場価値は下がっていくものなので、それを数値化・可視化するのは、厳しいけど現実を見ることができます
時間があれば取得して損はない
昨今、リスキリングが流行っていますので、その一つの候補に簿記を入れるのをオススメします
投稿者は試験に落ちるくらい簿記の考え方に戸惑いましたが、ゲームだと思ってルール通りやるだけと考え方を変えてからは、確定申告も怖くありません
![[簿記]ロードバイク購入後の財務諸表を作成する(2回目)](https://bike-memo.com/wp-content/uploads/2025/02/zakki_B78-320x180.jpg)