【2025年最新版】ロード・グラベル・MTB用チェーン徹底比較|軽量・耐久・静音性で選ぶおすすめモデルまとめ

「チェーンなんてどれも同じ?」
そんなことはありません。走りの質・耐久性・メンテナンス性に直結するのが“チェーン選び”。
この記事では、Shimano・Campagnolo・SRAMの主要モデルを中心に、ロードバイク・グラベル・MTBに対応したチェーンの特徴と選び方を紹介します。
この記事でわかること
- 2025年時点で選べる主要チェーンのスペックと価格
- Shimano・Campagnolo・SRAMのグレード別重量比較
- 軽量化・静音性・変速性能のバランスをどう取るか
- ロード・グラベル・MTBそれぞれに合うチェーンの選び方
ロードバイク・グラベル・MTB用チェーン2025年版
Shimano(シマノ)|日本
- 概要:世界最大手コンポーネントメーカー。チェーンにもSIL‑TECコーティング、高い互換性と耐久性を備える。
- 代表グレード:
- CN‑M9100(XTR / Dura‑Ace):12速トップグレード、242 g・約5,000‑6,000円
- CN‑M8100(Ultegra / XT):12速、約252 g・約4,000‑5,000円
- CN‑M7100(105 / SLX):12速、約252 g・約3,000‑4,000円
- CN‑HG701(Ultegra 11速):約257 g・約3,000‑4,000円
- CN‑HG901(Dura‑Ace 11速):約247 g・約4,000‑5,000円
対応速数 | グレード名 | 代表品番 | 特徴 | 価格帯(参考) |
---|---|---|---|---|
12速 | デュラエース | CN-M9100 / CN-M8100 | 最上位グレード。耐久性と滑らかさ抜群(MTB用と共用) | 約5,000~6,000円 |
12速 | アルテグラ | CN-M8100 | デュラと同仕様。コスパ高 | 約4,000~5,000円 |
11速 | デュラエース | CN-HG901 | SIL-TEC、方向性あり、軽量 | 約4,000~5,000円 |
11速 | アルテグラ | CN-HG701 | デュラと性能差わずか | 約3,000~4,000円 |
11速 | 105 | CN-HG601 | エントリー向け。十分な性能 | 約2,000~3,000円 |
10速以下 | – | CN-HG500 など | クロスバイクや旧モデルに適合 | 約1,000~2,500円 |
🔹 特徴:耐久性・静音性・信頼性に優れる。純正クランク・スプロケとの相性が最良。
🔹 注意点:方向指定あり(上位グレード)、チェーンピンも専用品推奨。
Campagnolo(カンパニョーロ)|イタリア
- 概要:独自設計が魅力。専用リンク式など、他ブランドとは互換性が低い。
- 代表グレード:
- 12速 Super Record / Record / Chorus:専用設計・高精度・専用装着工具必要、約6,000‑9,000円
- 11速 Record(CN‑RE11):滑らかな変速を重視、約4,000‑6,000円
対応速数 | グレード名 | 代表品番 | 特徴 | 価格帯(参考) |
---|---|---|---|---|
13速 | Ekar | CN-EK13 | グラベル用(1×13) | 約8,000~10,000円 |
12速 | Super Record / Record / Chorus | CN12-SR / CN12-CH | ピン接続ではなく「専用リンク工具」必須 | 約6,000~9,000円 |
11速 | Super Record / Record / Chorus | CN-RE11 | Record以上に対応。滑らかな変速 | 約4,000~6,000円 |
10速 | Super Record / Record / Chorus | CN-RE10 | 古いモデル向け | 約3,000~4,000円 |
🔹 特徴:カンパは専用設計のため他社チェーンとの互換性が低い。精度と見た目の美しさが特徴。
🔹 注意点:チェーン切断・接続には専用工具が必要(ピンではなくリンク方式)。
SRAM(スラム)|アメリカ
- 概要:独自の「フラットトップチェーン」構造、AXS対応の12速系。
- 代表グレード:
- CN‑Red‑D1(RED/Force AXS 12速):静音・高耐久(非公表)。
- PC‑1170/PC‑1130(11速系):ミッシングリンク採用・工具不要、約3,000‑5,000円。
対応速数 | グレード名 | 代表品番 | 特徴 | 価格帯(参考) |
---|---|---|---|---|
12速 | RED / Force / Rival eTap AXS | CN-Red-D1 / CN-Force-D1 | フラットトップ形状(上下非対称)で静音・高耐久 | 約5,000~7,000円 |
11速 | RED / Force / Rival eTap AXS | PC-1170 / PC-1130 | ミッシングリンクで着脱可 | 約3,000~5,000円 |
10速 | RED / Force / Rival | PC-1051 / PC-1031 | 旧モデル向け | 約2,000~3,500円 |
🔹 特徴:独自設計の「フラットトップチェーン」が最大の特徴。専用工具不要で着脱可能。
🔹 注意点:12速AXSチェーンは他社と互換性なし。
KMC(台湾)
- 概要:シマノ/スラム/カンパ公式互換を多数認証。カラーバリエーションも豊富。
- グレード例:
- X12 / DLC12(12速):DLCコーティング、高耐久。
- X11EL / X11SL(11速):軽量・滑らか性能重視。
- 価格帯:約3,000〜8,000円。
対応速数 | 主なモデル | 特徴 | 価格帯 |
---|---|---|---|
12速 | X12 / DLC12 | カラーチェーンやDLCコートが人気 | 約4,000~8,000円 |
11速 | X11EL / X11SL | 軽量&高耐久。純正超えの性能とも | 約3,000~7,000円 |
~10速 | X10 / Zシリーズなど | 安価な交換用として人気 | 約1,500~3,500円 |
特徴:多くのシフティング規格に互換性あり。ミッシングリンクで工具不要。カラー展開も豊富。
注意点:特定ブランドの最新変速性能と完全一致は保証されない。
ミッシングリンクとは?
KMCが採用している「ミッシングリンク(MissingLink)」は、チェーンを連結・脱着するための専用コネクタであり、KMCチェーンの大きな特徴の一つです。
工具の必要性は?
対応速数 | 工具なしでの脱着 | 実際の難易度・注意点 |
---|---|---|
8〜10速 | 可能(指で開けられる人も) | 緩めの設計で、再使用可タイプなら手で脱着できることもあります |
11速・12速 | 工具なしはほぼ不可能 | 密着度が高く、安全性重視のため、専用工具の使用が事実上必須 |
必須工具:ミッシングリンクプライヤー(リンクツール)
- 通販や自転車店で数百円〜1,000円程度で購入可能
- 開く専用・閉じる専用・兼用タイプがあります
- KMC純正・ParkTool・GORIX・ノーブランド品などあり
補足情報
KMCは一部リンクに「再利用可能(Reusable)」と「使い捨て(Non-Reusable)」の区別があります。
使い捨てタイプは何度も使わないようにしてください(危険です)。
4社を比較してみた
シマノ・スラム・カンパニョーロ・KMC の最高グレード同士で比較し、特に「普段使いを想定したメンテナンス性」や「使いやすさ・性能」を重視して比較しました。
比較対象チェーン(最高グレード)
メーカー | モデル | 対応速数 | 特徴 |
---|---|---|---|
シマノ | CN-M9100 | 12速(MTB/ロード共通) | SIL-TEC加工・精密・耐久性高 |
スラム | RED Flattop(AXS 12速) | 12速 | 独自形状(フラットトップ)・静音・軽量 |
カンパニョーロ | Super Record 12s | 12速 | 専用工具要・精度・スムーズな変速 |
KMC | DLC12(Diamond Like Coating) | 12速 | 超軽量・カラバリ豊富・工具不要 |
メンテナンス性 比較
項目 | シマノ | スラム | カンパニョーロ | KMC |
---|---|---|---|---|
リンク脱着 | クイックリンク(再利用非推奨) | Flattop用専用リンク(再利用不可) | ピン打ち込み式(専用工具要) | ミッシングリンク(再利用可) |
脱着の容易さ | やや手間(毎回新品リンク推奨) | やや複雑(専用工具またはピン) | 最も手間(専用ピン工具要) | 最も簡単(工具不要でも可) |
洗浄のしやすさ | ◯ | ◯ | △(脱着困難) | ◎(洗浄派に人気) |
潤滑の持ち | SIL-TECにより長持ち | 長め(コーティング良好) | 高い(潤滑性は優秀) | DLCコーティングで長持ち |
再利用性 | △(リンクは基本使い捨て) | △(フラットトップリンクは再使用NG) | ✕(打ち込み式) | ◎(複数回OK) |
実使用感(快適性+性能)
観点 | シマノ | スラム | カンパニョーロ | KMC |
---|---|---|---|---|
変速性能(自社コンポ) | ◎(純正品質) | ◎(AXSと最適化) | ◎(自社互換のみ) | ◯(対応範囲広) |
静音性 | ◎ | ◎(特に優秀) | ◯ | ◯ |
互換性 | △(自社優先) | △(専用構造) | ✕(専用規格) | ◎(11〜12速多対応) |
価格 | 約5,000〜6,000円 | 約6,000〜8,000円 | 約7,000〜9,000円 | 約6,000〜8,000円 |
結論:どれがいいの?
チェーン選びに迷ったら、まずは「何を重視したいか」で決めるのがポイントです。
ここでは、メンテナンス性・性能・静音性・レース志向など、それぞれに合ったブランドをわかりやすく紹介します。自分のスタイルに合ったチェーン選びの参考にしてください。
メンテナンス性・汎用性を重視するなら → KMC
「こまめに洗いたい」「交換やメンテを自分でしたい」という方にはKMCがおすすめ。
工具なしで簡単に脱着できる「ミッシングリンク」が最大の魅力で、チェーンメンテのハードルを大きく下げてくれます。
- 工具不要で着脱できる「ミッシングリンク」採用
- ※11速・12速はミッシングリンクプライヤー(リンクツール)が必要
- 洗浄・脱着が簡単 → チェーン洗浄派に人気
- DLCコーティングで寿命も長く、見た目も豊富(カラー展開)
性能・純正の安心感を重視するなら → シマノ
「とにかくスムーズな変速がしたい」「安心感がほしい」なら、コンポメーカー純正のシマノを選んで間違いなし。
特にシマノコンポを使っているなら、迷わず純正を選ぶべきです。
- 自社コンポと完璧な連携 → 変速スムーズ
- SIL-TECで耐久性あり
- メンテは多少手間(リンク使い捨て)でも信頼性高い
静音・スタイリッシュさを求めるなら → スラム
「とにかく静かな走行音が好き」「機材もかっこよく揃えたい」という方に人気なのがスラム。
フラットトップチェーンの未来的なルックスと静粛性は、他社にない特徴です。
- フラットトップ構造が非常に静か
- 高級感と独自構造
- ただしリンク再利用不可+高価
レース用にこだわる人向け → カンパニョーロ
「レースで勝つために、変速の精度にこだわりたい」そんな上級者には、カンパニョーロのチェーンが支持されています。
一切の妥協を排除した精密設計のチェーンは、独自の世界観とともに圧倒的な性能を誇ります。
- 最も精密で滑らかな変速
- ただし専用工具必須+汎用性ゼロ
4社比較・まとめ
利用者タイプ | おすすめ |
---|---|
毎回チェーン清掃する人/汎用性重視 | KMC DLC12 |
純正志向/性能重視 | シマノ CN‑M9100 |
静音と個性/AXS使用者 | スラム RED Flattop |
カンパユーザー/レーサー | カンパ Super Record |
“チェーン選びは、走りの質を左右する”——2025年版おすすめモデルで快適なライドを
今回の比較では、Shimano・Campagnolo・SRAMそれぞれに強みがあり、用途に応じた選び方が重要であることを実感しました。
- 軽量化を狙うならDURA-ACEやRECORD
- 静音性と変速性能ならSRAMの中空ピンモデル
- グラベルやMTBには耐久性重視の設計が◎
“選んで・組んで・走って・感じる”——そんな気持ちになれる、チェーン選びの体験記でした。