同メーカーのサイクリングジャージなのにサイズが違う理由
サイクリングジャージサイズ問題
サイクリングジャージメーカー「DECOJA」でデザイン業務に従事することになり、中の人になったから見えてきたサイクリングジャージサイズ問題の理由をお伝えしていきます
今後、サイクリングジャージはネット購入する機会が増えると思いますので、参考になれば幸いです
同メーカー・サイズなのに合わない理由
同じメーカーの同サイズを買ったのに、サイズが変わってしまった理由は以下があります
- 数シーズン着用しているので、生地が伸びている(経年劣化)
- 体型が変わっている
- デザインが違う
- 型紙が変わっている
- 生地が変わっている
- 職人が変わっている
- 製造工場が変わっている
理由について解説していきます
サイズが変わっている原因(購入者理由)
ウェアは使えば、少しずつ生地が伸びていきます(経年劣化)の感じ方は人それぞれです
生地が伸びる
新品の靴が分かりやすいです
購入時は少しきついけど、だんだん足に合って履き心地が良くなる体験はきっとあると思います
サイクリングジャージも同じで購入時より少しずつ生地が伸びて、体にピッタリ合い、長く使うとだらしない張りになり、体に合わなくなります
この感覚が人によって、いつ感じたかで、「〇サイズが合う」と認識されます
自分には「〇サイズ」が合うは、どのタイミングで合ったのかを理解していない
体型が変わる
サイクリングを続けていると、有酸素運動・無酸素運動を繰り返し、引き締まった体になる人が多いと思います
反対に、環境の変化や体調によってサイクリングを休んで、再スタート時では、ぽっちゃりした体型になっていると思います
自分では気づいていない体型変化で、合うサイズが変わっている
サイズが変わっている原因(メーカー理由)
ここからはメーカーが商品販売する都合も含んだ理由になります
※DECOJAの場合になりますので、当てはまらないメーカーもあります
デザインが違う
サイクリングジャージは、大きく2種類の型紙が存在します
- ラグラン
- セットイン
各型紙の特徴を紹介します(同じデザインでサンプル作成しています)
ラグラン
ゆったりしたサイズを作ることができる型紙で、少し前まで主流でした
- 袖が襟までつながっている
- 胴回りがゆったりしている
- 胴体部が横に伸びやすい
胴回りがよく伸びる特徴ですので、サイズ合わせは身丈から
- 身丈サイズを合わせる(伸びにくい)
- 胸回りサイズを合わせる(少し伸びる)
- 腹回りサイズを合わせる(よく伸びる)
セットイン
流行の速く走るためのエアロジャージなどで使わている体にぴったり合わせる型紙
- 袖が肩に直接つながっている
- 胴回りがピッタリしている
- 胴体部が縦に伸びやすい
胴回りが伸びない特徴ですので、サイズ合わせは胴回りから
- 胴回りサイズを合わせる(伸びにくい)
- 腹回りサイズを合わせる(伸びにくい)
- 身丈サイズを合わせる(少し伸びる)
2種類の違い
各デザインのジャージを選ぶときの注意点
- ラグランはゆったり/セットインはぴったり
- 同サイズでも、全くサイズ感が違う
型紙が変わっている
プロ選手などに供給したフィードバック・お客様からのご意見や他社を含めたトレンドに合わせて型紙が変化しています
開発競争
より快適で着心地よくだけではなく、より速く走るため、暑さ対策など、刻刻と変えていますので、同じ製品でも数年たつと、違うものに変わっている可能性があります
デザインの変化
変化の一例ですが、数年で変わっている内容をご紹介します
- ラグランよりセットインの方が人気になった
- よりエアロ対応するため、胴回りが細くなり、身丈が長くなった
- 暑さ対策で、袖が細く・長くなった
- 襟が小さくなった
数年前に作った型紙データを、最新の型紙に合わせ直し、再生産しています
生地の変更
サイクルジャージメーカーではどうにもできない事ですが、仕入れていた生地が生産中止になり、代替品に変更することはよくあります
生地を仕入れて製造するので、どうしようもないことですが、出来るだけ変わらないように製品を作り続けています
- 生産終了した後の生地が、全く違う特徴になることは、よくあること
- 似た特徴の生地をメーカーを国内外問わず探すが、同じものはない
生地の特徴
先に説明したラグランとセットインの型紙について、使用する生地が違いますので、これもサイズが合わない原因の1つです
※また別の記事にまとめていきます
職人が変わっている
サイクリングジャージ製造は、ほぼ全て職人による手作業です(だから、高価なのはご理解ください)
熟練から経験の浅いまで、さまざまな職人が製造に関わりますので、個体差がどうしても出てしまいます
数年経ったら、経験値が変わっている・職人が入れ替わっているなど、別の人が必ず作業していると理解してください
個体差が出ないように管理していますが、どうしても差がでます
工場が変わっている
DECOJAも含めて、中国などの外国生産は当たり前になっています(※DECOJAは国内自社工場も持っています)
ある日突然、取引先の工場から取引中止の通告は、珍しくありません(廃業したのか、どこかのOEMに変わったのか、本当に急に通知だけ来るので、困ります)
そのリスクを避けるため、発注先を数社確保しており、状況に合わせて依頼先変更は、外国生産では当たり前で、製品によってサイズが違う理由でもあります
ある製品が販売停止になったら、工場が無くなったと思って間違いありません
まとめ
同メーカー・同サイズのサイクリングジャージを再度購入した時に、サイズが合わない問題について解説しました
サイズを合わせる対策
ご自身の体の変化・メーカー側の問題はありますが、購入する前に体の採寸をして、注文していただけると、問題が起こりにくいです
ネット注文が当たり前
昨今、自転車販売店の減少・ネットショップの充実で、実物を見ずに購入する機会が増えてくると思いますので、サイズ間違いが起こらない対策をして、より良いものを購入してください
採寸方法
ラグラン・セットインでサイズ合わせが変わっています
ラグラン
横には伸びやすいが、縦には伸びにくいので、身丈を優先したサイズ選びをしてください
胴回りがよく伸びる特徴ですので、サイズ合わせは身丈から
- 身丈サイズを合わせる(伸びにくい)
- 胸回りサイズを合わせる(少し伸びる)
- 腹回りサイズを合わせる(よく伸びる)
セットイン
胴回・腹回りがほぼ伸びませんので、そこのサイズをしっかり合わせたサイズを選んでください
胴回りが伸びない特徴ですので、サイズ合わせは胴回りから
- 胴回りサイズを合わせる(伸びにくい)
- 腹回りサイズを合わせる(伸びにくい)
- 身丈サイズを合わせる(少し伸びる)
快適なサイクリングを
体型は日々変化していますので、以前はこのサイズで合ったと適当に選ばずに、サイクリングジャージ購入時は必ず採寸をして、体にあったサイズを選んでください
DECOJA Yahoo! ショップ
地域キャラクターを使用したサイクリングジャージを中心にネット販売を行っています