【要注意】ドボンライドは本当に安全?サイクリストが知るべき5つの危険と対策

真夏のサイクリング。
汗だくの体を冷やすため、山間の清流に「ドボン」と飛び込むサイクリストたちの姿を、SNSなどで見かける季節です。
いわゆる“ドボンライド”。

見た目には爽快で、気持ちよさそうにも見えますが——
本当にそれ、安全ですか?
今回は、川遊び経験のある田舎育ちの視点から、「ドボンライドの危険性」と「安全に楽しむための注意点」をまとめました。
命に関わる事故につながる可能性もあるので、ぜひ一度冷静にチェックしてみてください。
ドボンライドが危険な理由5つ

1. ウェアのまま水に入るのは想像以上に危険
サイクルウェアは速乾性があるとはいえ、水を含むと重くなり、動きにくくなるのが現実。
とくにジャージやビブショーツは体にフィットする構造なので、水の中では脱出行動が取りづらくなることがあります。
ポイント:浮力のない服+濡れたシューズは溺れのリスクを高めます。
2. 流れが穏やかに見えても油断は禁物
「流れが緩やかで浅そう」と思っても、水面下では急激に深くなる箇所や、流れが急なポイントがあります。
地元民が「ここは危ない」と知っていても、観光客やライダーは気づけません。
ポイント:「見た目で判断」は一番危険な落とし穴です。
3. 川の水質は透明でも安全とは限らない
「きれいな川=安全」ではありません。
近年では、レジオネラ菌や大腸菌、アメーバによる感染症の報告もあり、水質は一見わかりません。
皮膚の傷口や目、口から菌が入ることで体調を崩すケースもあります。
ポイント:SNSで他人が大丈夫でも、あなたの体調や免疫力が万全とは限りません。
4. 流されたり引っかかる事故が多発
川底に流木・岩・鉄くずなどが沈んでいることがあり、足やウェアが引っかかるとパニックに。
また、雨のあとは一気に増水することもあり、予測不能な事態になりかねません。
ポイント:川は“自然”であり、常に変化しています。
5. 熱中症と低体温症を繰り返す危険
「汗だくで冷たい川へ飛び込む」行動は、一気に体温を下げ、血圧変動や筋肉の痙攣(けいれん)を引き起こすことも。
しかも、再び炎天下で走り出すと熱中症リスクも倍増します。
ポイント:急激な体温変化は体にとって大きなストレスです。
安全にドボンライドを楽しむための5つのチェックリスト
どうしてもドボンしたい場合、以下のポイントを守ることでリスクを大きく下げられます。

事前に現地の水難事故情報をチェック
→ 地元自治体・観光案内所・警察のサイトなどが有効です。
行き当たりばったりで川に入るのは非常に危険。
事故の多発エリアや、流れが急に変わるポイントなど、事前に信頼できる情報源から現地の安全状況を把握しておきましょう。
専用の川遊び用ウェアに着替える
→ 通気性のよいラッシュガードやウォーターシューズを準備しましょう。
サイクルジャージやビブショーツでそのまま川に入るのはNG。
水中での動きやすさ・乾きやすさ・滑りにくさを重視したウェアに着替えることで、安全性が格段に上がります。
流れがない場所、足がつく浅瀬だけで遊ぶ
→ 川幅の広い場所やダム下などは絶対に避けましょう。
見た目に穏やかでも、川には「見えない危険」がたくさん。
流れの強い場所、深すぎる場所、水底が不安定な場所には近づかないことが鉄則です。
水に入るのは1人では絶対NG
→ 最低でも2人以上で、お互いの状態を監視すること。
「ちょっとだけだから」と一人で入水するのは絶対にやめましょう。
万が一のときに助けを呼べるよう、仲間と一緒に行動することが命綱になります。
入水後は体温変化に注意して休憩を
→ 走り出す前に体を十分に乾かし、心拍が落ち着くまで待ちましょう。
冷たい川の水に入った直後は、急な体温低下や筋肉のこわばりが起きやすい状態。
無理に走り出すのではなく、しっかり休憩してから再スタートするのが安全です。
無理に飛び込まず“見るだけ”でもいい
SNSで見かけるドボンライド。
とても魅力的に見えますが、それは“映え”の一瞬だけを切り取ったもの。

あなたの命と引き換えにするような行動ではありません。
水辺の景色を楽しみ、休憩するだけでも十分“涼”は取れます。
どうしても遊びたいなら、「川遊びができる公園」や「監視員のいる施設」を選ぶのがベストです。
安全第一で、楽しい夏のライドを。