梅田でレンタルサイクルを利用する前に知っておきたいこと|現地トライアル体験から見えたリアルな課題

「ちょっと梅田で自転車を借りて、買い物や用事を済ませたい」
そんなふうに思ったこと、ありませんか?
実は、2010年に大阪・梅田でレンタルサイクルの試験運用が始まった際に、ある“課題”が見えてきました。
一見便利そうに見える取り組みでも、実際に街中で使おうとすると…思った以上に難しい現実があります。
今回はそのリアルなトライアル体験をもとに、梅田でレンタルサイクルを使う際に気をつけるべきポイントをまとめました。
「レンタルサイクルが活躍するには早かった」——2010年当時の梅田の現状
当時のトライアルでは、梅田北ヤード(再開発エリア)の工事関係者を対象にした限定モニターが実施されていました。
しかし、一般利用が難しいのでは?と感じた理由がいくつかあります。

行き先に駐輪場がない
梅田の中心部にある施設では、駐輪場の数が非常に限られており、停める場所に困ってしまうという状況。
「借りても、置けない」——これでは利便性が活かされません。
安全に走行できるルートが限られている
歩道・車道・自転車道がしっかり整備されていないエリアも多く、歩行者・バイク・車が混在する混沌とした道路事情では、初心者や観光客にはハードルが高いのが現実でした。
マナー問題も…
自転車のマナーが浸透しておらず、違法駐輪・走行マナーの悪さなども目立ちました。
加えて、レンタルサイクルのかごにゴミ(ペットボトル等)が捨てられていた場面もあり、モラル面での課題も浮き彫りに。
では、どうすれば「使いたい」と思える仕組みになる?
今でこそ、シェアサイクルの仕組みが全国で普及していますが、当時の梅田では「整備の前提」が不十分だったのが根本的な問題でした。
「駐輪場」と「安全な走行ルート」の整備
まずは、「自転車を停める場所」「走る場所」を整備すること。
それが整ってはじめて、レンタルサイクルは“便利な交通手段”として活きてきます。
モラル・マナーを浸透させる仕組み
違法駐輪やゴミのポイ捨てなど、利用者のマナーも街の印象を左右します。
「返却時のチェック」「利用者の登録制」など、小さな仕組みが大きな改善につながるはずです。
ただ便利なだけでは、街に合わない
レンタルサイクルは、都市の移動手段として可能性のある仕組みです。
ですが、それが機能するためには「受け入れる街の環境」が必要不可欠。
安全に走れて、気持ちよく返せて、また借りたいと思える。
そんな仕組みづくりが、まず第一歩なんだと思います。
10年以上前に感じたリアルな課題は、今の都市づくりにも通じるヒントかもしれません。
もしあなたが梅田でレンタルサイクルを使うなら、まずは「停める場所」と「走るルート」をチェックしてからにしましょう。