歩道で自転車に「どけ」と怒鳴られた!車道寄りを歩くのは違反?歩行者優先のルールとトラブル回避術

みぞお
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「広い歩道を歩いていただけなのに、自転車に怒鳴られて怖い思いをした……」 SNSや知恵袋でも、歩道での自転車と歩行者のトラブルが絶えません。特に自転車側のルールである「歩道では車道寄りを走る」という決まりを巡って、歩行者に対して「邪魔だ」と高圧的な態度を取るケースが散見されます。

しかし、そもそも歩道は「歩行者優先」が絶対の鉄則です。歩行者は車道側を歩いてはいけないのでしょうか?自転車に道を譲る義務はあるのでしょうか?

本記事では、道路交通法に基づいた「歩道における自転車と歩行者の正しいルール」を徹底解説します。怒鳴ってきた相手の主張が法的に正しいのか、そして不快なトラブルを未然に防ぐための「大人のマナー」について、根拠を交えてスッキリとお伝えします。

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そもそも自転車はどこを走るべき?

まず大前提として、自転車は「軽車両」なので、原則として車道を走らなければなりません。 しかし、以下の3つの「例外」にあたる場合は、自転車も歩道を走ることが認められています(道路交通法第63条の4)。

  1. 標識がある場合: 「自転車通行可」の標識がある歩道。
  2. 運転者が子供や高齢者の場合: 13歳未満の子ども、70歳以上の高齢者、身体の不自由な方。
  3. やむを得ない場合: 車道の交通量が著しく多い、工事中など、車道を走るのが危険な場合。

今回のトラブルになったママチャリの方も、もしかすると③の「やむを得ない場合」として歩道を走っていたのかもしれません。

歩道でのルール:「車道寄り」は誰のため?

自転車が例外的に歩道を走る場合、法律で「歩道の中央から車道寄りの部分を徐行しなければならない」と決められています。 これは、お店や家の出入り口がある「建物側」を自転車が走ると、飛び出してきた人と衝突する危険性が高いためです。

では、歩行者には「車道側を空ける義務」があるのでしょうか? 答えは「NO」です。

歩道はあくまで歩行者のための場所。「歩行者は右側、自転車は左側」といった明確な棲み分けルールは歩道上には存在せず、歩行者は歩道のどこを歩いても基本的に自由です。 むしろ、自転車側には「歩行者の通行を妨げるおそれがあるときは、一時停止しなければならない」という義務があります。

つまり、今回のケースで「どけ!」と怒鳴った自転車側は、マナー違反どころか法律違反(徐行義務・歩行者優先義務の違反)の可能性が高いと言えます。

トラブルを避けるための「大人のマナー」

法律上は歩行者が優先ですが、現実には自転車と歩行者が混在する歩道は危険がいっぱいです。 お互いに嫌な思いをせず、安全にすれ違うためには、以下のポイントを意識すると良いでしょう。

  • 自転車側
    • 歩行者がいたら「徐行(すぐに止まれる速度)」し、無理に追い抜いたりベルを鳴らしたりしない。歩行者が気づいていないなら、自分が止まって待つ。
  • 歩行者側
    • 厳密なルールではありませんが、自転車が対向から来た場合は、お互いの安全のために少し建物側へ避けてスペースを空けてあげる(「譲り合い」の心)。

まとめ

歩道でのトラブルに遭遇すると「自分も悪かったのかな?」と不安になりますが、結論から言えば、歩道で歩行者が場所を理由に怒鳴られる筋合いは全くありません。

今回のポイントを改めて整理します。

  • 自転車の「車道寄り」ルールは自転車の義務
    • これは建物からの飛び出しを避けるための自転車側のルールであり、歩行者に「車道側を空けろ」と強制するものではありません。
  • 歩道は常に「歩行者優先」
    • 自転車が例外的に歩道を通る際は、歩行者の通行を妨げるなら一時停止しなければなりません。ベルでどかしたり、怒鳴ったりする行為は明確なマナー・ルール違反です。
  • 「譲り合い」は義務ではない
    • 余裕があれば建物の近くへ避けてあげるのも一つの優しさですが、それはあくまで善意。ルールを知っていれば、相手の理不尽な怒りに怯える必要はありません。

法律を知ることは、自分の身と心を守ることにつながります。「歩道はみんなのもの、でも主役は歩行者」という基本を再確認し、もし変な人に遭遇してしまっても「ルールを知らないのはあちら側だ」と冷静に受け流しましょう。お互いの安全のために、正しい知識を味方にしてくださいね。

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おっさんサイクリスト
自転車趣味歴だけは長いサイクリスト。レースは観戦するもので、自転車旅を楽しんでいます。西日本を中心に活動しています。
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