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「自転車に乗ろうとしたら、右側のブレーキレバーがスカスカで効かない!」 「後ろのブレーキから『キーキー』とものすごい音がする…」
自転車のブレーキトラブルは、命に関わる重大な問題です。 一般的に、日本の自転車(ママチャリ・シティサイクル)は「右レバーが前輪」「左レバーが後輪」に設定されています。
今回は、右ブレーキ(前輪)が効かない際の原因と、修理や買い替えの際によく聞かれる「バンド・サーボ・ローラー」という3つの後輪ブレーキの違いについて解説します。
右(前輪)ブレーキが効かない!考えられる3つの原因
右のレバーを握っても手応えがない、あるいは効きが悪い場合、以下の原因が考えられます。
① ワイヤーの「初期伸び」または「切断」
- 症状: レバーがグリップにくっつくほど握り込めてしまう。
- 原因: 新品の自転車はワイヤーが少し伸びることがあります(初期伸び)。古い自転車の場合は、ワイヤーが錆びて切れている可能性があります。
- 対策: アジャスター(調整ネジ)で張りを調整するか、ワイヤー交換が必要です。
② ブレーキシュー(ゴム)の摩耗
- 症状: 握れるけれど、止まりにくい。
- 原因: 前輪のリム(車輪の枠)を挟むゴム(ブレーキシュー)がすり減っている。
- 対策: 溝がなくなっていたら即交換です。
③ リムの汚れ・油分
- 症状: 音が鳴る、または滑るように効かない。
- 原因: 車輪の金属部分に油や泥がついている。
- 対策: 中性洗剤やパーツクリーナーでリムを拭き掃除しましょう。
音鳴り卒業!後輪ブレーキ「3つの種類」の違い
「後ろのブレーキがうるさい!」という悩みは、ブレーキの「種類」によって解決策が異なります。ママチャリの後輪ブレーキは主に以下の3つです。
| 種類 | 特徴 | 音鳴り | 価格 | 見分け方 |
| バンドブレーキ | 安価な自転車に多い。一度鳴き出すと直らない。 | うるさい (キーキー音) | 安い | ドラムが黒色などの塗装。外からバネが見える。 |
| サーボブレーキ | バンドブレーキの上位互換。構造が車に似ている。 | 静か | 普通 | ドラムが黒色など。見た目はバンドに近いが構造が違う。 |
| ローラーブレーキ | 高級・通学用自転車に多い。雨に強く耐久性最強。 | 静か (グリス切れで鳴る) | 高い | ドラムが金属の銀色。放熱用のフィン(ギザギザ)がある。 |
① バンドブレーキ(Band Brake)
- 仕組み: 回転するドラムを、外側からゴムベルトで締め付けて止めます。
- デメリット: 古くなると「キーー!」という強烈な音が鳴ります。この音は修理しても直りません(交換が必要)。
- 注意点: 非常に安価な自転車にはこれが付いています。
② サーボブレーキ(Servo Brake)
- 仕組み: ドラムの内側からシューを押し広げて止めます(車のドラムブレーキに近い)。
- メリット: バンドブレーキと取り付けの互換性があり、「キーキー音が鳴りにくい」のが最大の特徴です。
- おすすめ: バンドブレーキがうるさくなった場合、この「サーボブレーキ」への交換が推奨されます。
③ ローラーブレーキ(Roller Brake)
- 仕組み: 内部のローラーとカムが押し付け合って止まります。シマノ製が有名です。
- メリット: 専用グリスが封入されており、音鳴りがほとんどしません。雨天でも制動力が落ちにくい最強のブレーキです。
- メンテナンス: 長年使って音が鳴り出しても、「専用グリス」を注入するだけで静かになります(交換不要)。
- 注意点: バンド・サーボブレーキとは車輪(ハブ)の形状が違うため、後からローラーブレーキに交換するのは困難(車輪ごとの交換が必要)です。
修理・購入時のポイント
- 右ブレーキが効かない時
- 命に関わるので、自分で直そうとせず自転車店へ。ワイヤー調整なら数百円〜千円程度で済むことも多いです。
- 後輪ブレーキがうるさい時:
- バンドブレーキなら
- 「サーボブレーキ」に交換してもらいましょう(部品・工賃で3,000〜5,000円程度)。
- ローラーブレーキなら
- 自転車店で「グリスアップ」を依頼しましょう(数百円で直ります)。
- 新車を買う時
- 長く快適に乗りたいなら、最初から「ローラーブレーキ」がついている車種を選ぶのが絶対におすすめです!
【比較表】自転車リアブレーキの性能一覧
| 種類 | 効きの良さ(制動力) | 耐久性・音鳴り | 雨天時の効き | 特徴・コスト |
| バンドブレーキ | △ (急にロックしやすい) | × (劣化で激しい音が鳴る) | × (水が入ると滑る) | 【安価】 低価格なママチャリに採用。一度音が鳴ると直らない。 |
| サーボブレーキ | ◯ (しっかり止まる) | ◯ (音鳴りしにくい) | ◯ (比較的安定している) | 【標準〜良】 バンドブレーキの上位互換。交換修理によく使われる。 |
| ローラーブレーキ | ◎ (非常に強く、滑らか) | ◎ (最強・グリス注入で復活) | ◎ (密閉型で影響なし) | 【高級】 通学車や電動自転車に採用。専用ハブが必要。 |
【根拠・詳細情報の参照元】
本記事の執筆にあたり、大手自転車店およびパーツメーカーの情報を参考にしています。
- サイクルベースあさひ: 自転車のブレーキの種類と特徴
- 一般的なシティサイクルに使われるブレーキの種類(キャリパー、バンド、ローラーなど)と、それぞれのメリット・デメリットが解説されています。
- シマノ(SHIMANO): ローラーブレーキ(インターM)
- ローラーブレーキの構造、雨天時の制動力、グリス注入によるメンテナンス性についての公式情報です。
- ブリヂストンサイクル: 自転車のメンテナンス・ブレーキ編
- ブレーキの効きが悪くなる原因(シューの摩耗、ワイヤーの伸び)と、日常点検のポイントが掲載されています。
- 唐沢製作所: サーボブレーキについて
- バンドブレーキとサーボブレーキの互換性や、音鳴りのしにくい構造についてのメーカー解説です。
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自転車趣味歴だけは長いサイクリスト。レースは観戦するもので、自転車旅を楽しんでいます。西日本を中心に活動しています。