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「転ばなきゃ怪我しないでしょ?」 そう思っているあなた。ロードバイクの怪我は「転倒(落車)」だけではありません。
間違ったポジションで乗り続けることで体を壊す「障害(オーバーユース)」も、サイクリストを引退に追い込む大きな要因です。
今回は、ロードバイク乗りが避けて通れない「2種類の怪我」と、今日からできる対策について、医学的見地や経験則を交えて解説します。
突発的な怪我:落車による「外傷」
転倒や交通事故によって負う怪我です。ロードバイクはスピードが出るため、ママチャリとはダメージのレベルが違います。
① 擦過傷(さっかしょう):いわゆる「道路ズル剥け」
最も多い怪我です。アスファルトでおろし金のように皮膚が削られます。
- 特徴:
- 傷口に砂や小石が入り込み、治りにくい。跡が残りやすい。
- 対策:
- 露出を減らす。夏でもアームカバーやレッグカバーをするだけで、皮膚の削れ方は劇的に軽減されます。
- 処置:
- 昔ながらの「消毒して乾かす」はNG。現在は水道水で洗い流し、「湿潤療法(キズパワーパッド等)」で治すのが常識です。
② 鎖骨骨折(さこつこっせつ):サイクリストの職業病
ロードバイク乗りが骨折する場合、約半数が「鎖骨」だと言われるほどメジャーな怪我です。
- 理由:
- 落車した際、無意識に肩から地面に落ちるため、衝撃が鎖骨に集中してポキっと折れます。
- 影響:
- 手術でボルト固定が必要になるケースが多く、復帰まで数ヶ月かかります。
③ 頭部外傷・脳震盪(のうしんとう)
ヘルメットをしていても、衝撃で脳が揺れることがあります。
- 重要:
- 「ヘルメットが割れた=命拾いした」です。一度でも衝撃を受けたヘルメットは、外見が綺麗でも内部の衝撃吸収ライナーが潰れているため、即廃棄・交換が鉄則です。
慢性的な怪我:乗りすぎによる「障害」
転んでいなくても、体が痛くなることがあります。これは「ポジション」や「乗り方」が間違っているサインです。
① 腸脛靭帯炎(ちょうけいじんたいえん):通称「ランナー膝」
膝の外側が痛くなる症状です。
- 原因: サドルが高すぎる、またはペダルを踏み込む際に膝が内側に入る(内股)癖がある。O脚の人もなりやすい。
- 対策: サドルを数ミリ下げる、クリート位置を調整する。
② 腰痛・ヘルニア
- 原因: ハンドルが遠すぎる、または腹筋・背筋を使わず「腕」で支えてしまっている。
- 対策: ステム(ハンドルの棒)を短くする、体幹トレーニングを取り入れる。
③ 手の痺れ(尺骨神経麻痺)
小指と薬指が痺れて動かしにくくなる症状。
- 原因: ブラケット(ハンドル)への体重のかけすぎ。振動吸収性の悪いグローブやバーテープ。
- 対策: 厚手のグローブに変える、カーボンハンドル(振動吸収が良い)にする。
怪我を防ぐための「3つの神器」
まだ持っていないなら、今すぐ買ってください。命と生活を守る投資です。
- ヘルメット(JCF公認)
- 2026年現在、着用は「努力義務」ですが、ロードバイクに乗るなら「絶対義務」と思ってください。数千円の安物ではなく、安全基準を満たしたものを。
- グローブ(指切り・フルフィンガー)
- 転倒時、人間は反射的に手をつきます。グローブがないと、手のひらの皮が全部めくれます。日常生活(スマホ操作や仕事)に直結するため必須です。
- 自転車保険(賠償+傷害)
- 自分が怪我をするだけでなく、相手(歩行者)に怪我をさせた場合、数千万円〜1億円の賠償請求事例があります。多くの自治体で加入が義務化されています。
痛みは「警告」である
- 落車: スピードを出しすぎない、下り坂で無理をしない。
- 体の痛み: 「痛いけど頑張る」は最悪です。痛みは「セッティングが間違っている」という体からの警告です。
ロードバイクは「一生楽しめる趣味」です。 一瞬の油断や無理なポジションで、その楽しみを失わないよう、自分の体を守りながら走りましょう。
【根拠・参照となるサイト情報】
本記事の医学的根拠や安全情報は、以下の専門機関のデータを参考にしています。
- 日本整形外科学会(症状・病気をしらべる)
- 警察庁(自転車の交通安全)
- MSDマニュアル(家庭版)
- au損保 (自転車保険)
ABOUT ME

自転車趣味歴だけは長いサイクリスト。レースは観戦するもので、自転車旅を楽しんでいます。西日本を中心に活動しています。