【2026年解説】なぜ「ロードバイク離れ」が止まらないのか?価格高騰だけじゃない、複合的な10の理由を徹底分析
「昔は週末のサイクリングロードはロードバイクだらけだったのに…」 最近、そんなふうに感じませんか?
コロナ禍での空前のブームを経て、現在ロードバイク業界は大きな転換点を迎えています。 「飽きたから」という単純な理由だけではありません。経済的な事情、社会的な風当たり、そして魅力的なライバルの出現…。
「ロードバイク離れ」が止まらない10の理由
なぜ今ロードバイクを降りる人が増えているのか? その背景にある「10の残酷な理由」を、データとユーザー心理の両面から紐解きます。

理由1:【経済】自転車本体の“値上がり”が異常事態
ロードバイク離れの最大の要因は、間違いなく「高すぎて買えない」ことです。
- 背景:
- 世界的なカーボン原糸の高騰、輸送費増、そして止まらない円安。
- 現実:
- 2015〜2020年頃: 初心者向けの「105組アルミ/カーボンロード」は15〜20万円で買えました。
- 2023〜2026年: 同スペックのバイクは30〜40万円台が当たり前になりました。
- 心理:
- 学生や若手社会人にとって、ロードバイクは「手軽に始められるスポーツ」から「富裕層の機材スポーツ」に変貌してしまい、新規参入の壁が極端に高くなりました。
理由2:【維持費】ランニングコストの増大
本体を買って終わりではありません。維持費も高騰しています。 ディスクブレーキ化によりメンテナンスの難易度が上がり、ショップ工賃への依存度が高まりました。
- タイヤ:
- ハイエンドは1本1万円〜1.5万円。
- チェーン:
- 消耗品なのに4,000円〜8,000円。
- 修理:
- 落車でカーボンフレームが割れれば、修理や買い替えで数十万円が飛びます。
- 「維持するだけで疲れる」と感じて辞める層が増加しています。
理由3:【環境】交通環境が「危険」すぎる
「公道を走るのが怖い」という心理的ハードルです。 高齢ドライバーによる事故ニュースや、大型トラックの増加により、生身で車道を走るリスクが改めて浮き彫りになっています。 「趣味で怪我をして仕事に穴を開けられない」という防衛本能が、ロードバイク離れを加速させています。
理由4:【社会】SNSによる「迷惑イメージ」の拡散
地味ながら大きなダメージを与えているのがSNSです。 一部のライダーによる「並走」「信号無視」「歩道暴走」などの動画がX(旧Twitter)等で拡散されやすくなりました。 これにより、「ロードバイク乗り=マナーが悪い集団」というレッテルを貼られやすくなり、肩身の狭さを感じて降りる人が増えています。
理由5:【ブーム終焉】コロナ特需の反動
2020〜2022年の「密を避ける移動手段」としてのブームは完全に終わりました。
- 行動変容:
- 在宅勤務から出社回帰へ。
- 生活防衛:
- 物価高により、趣味に回せる可処分所得が減少。 「一巡した」ライトユーザーたちが、一斉に機材を手放しています。
理由6:【競合】スマホ・サウナ・ジムの台頭
「タイパ(タイムパフォーマンス)」を重視する現代において、ロードバイクは「準備・移動・片付け」に時間がかかりすぎる趣味です。
- eスポーツ / スマホゲーム:
- 自宅・0秒で開始できる。
- サウナ / ジム:
- 低コストで短時間に健康効果が得られる。 若年層ほど、手軽な娯楽へ流れています。
理由7:【多様化】「ロードじゃなくてもいい」現象
「自転車=ロードバイク」一択の時代は終わりました。
- グラベルロード:
- 未舗装路も走れる冒険性。
- クロスバイク / ミニベロ:
- 街乗りに最適。
- e-bike(電動):
- 坂道も楽々。 「ガチで速く走る必要はない」と気づいた層が、よりカジュアルで快適な自転車種へと移行しています。
理由8:【内面化】Zwift(室内トレ)への引きこもり
ガチ勢の間で起きているのが「外を走らない」現象です。 スマートトレーナーとZwiftの進化により、「安全・快適・効率的」な室内トレーニングが主流になりました。 「実走は危ないし、準備が面倒だからズイフトでいいや」となり、高価な実走用ロードバイクを買い換える意欲が減退しています。
理由9:【観光】「輪行」から「レンタル」へ
かつては自分のロードバイクを分解して電車に乗せる「輪行」が旅の定番でしたが、現在は観光地のレンタサイクル(e-bike)が充実しています。 「重い荷物を持って移動するより、手ぶらで現地で借りた方が楽」という合理的判断が、ロードバイク保有の動機を弱めています。
理由10:【市場】中古市場の価格崩壊
コロナ期に大量生産・大量購入されたバイクが、2023年〜2025年にかけて中古市場に溢れ出しました。
- 供給過剰:
- メルカリや中古店に在庫がダブつく。
- 悪循環:
- 新品が売れない
- メーカーは在庫調整で苦しむ
- さらに値上げや生産縮小
- ユーザーが離れる。
- このサイクルが、業界全体の活気を奪っています。
まとめ
ロードバイク離れの構造
| カテゴリ | 主な理由 |
| 金銭面 | 本体価格の高騰、維持費・パーツ代の増加 |
| 環境面 | 事故リスクへの恐怖、SNSでのマナー批判・炎上 |
| 代替案 | e-bike、グラベル、Zwift(室内)、サウナ等の他趣味 |
| 市場 | コロナブーム終了後の在庫過多、中古相場の下落 |
結論:ロードバイクは「淘汰」と「純化」の時代へ
「なんとなく流行っているから乗る」という層はいなくなり、今後は「本当にロードバイクが好きで、コストとリスクを許容できる層」だけが残る時代になったと言えます。
業界にとっては厳しい冬の時代ですが、ユーザーにとっては「ブームに流されず、自分のスタイルを見つめ直す」良い機会かもしれません。

