タデイ・ポガチャルの6勝目なるか?2027年ツール・ド・フランス優勝候補ランキング

みぞお
記事内に商品プロモーションを含む場合があります

2027年のツール・ド・フランスのコースが発表され、タデイ・ポガチャルが前人未到の領域となる「総合6勝目」を果たせるのか、早くも世界中の注目が集まっています。

今大会は合計71kmという異例の長距離タイムトライアル(TT)が設定され、山頂フィニッシュが激減する新コースとなりました。

本記事では、海外自転車メディア『Cyclingnews』の考察をもとに、絶対的本命として君臨し続けるポガチャルを中心に、TT重視のコースで最大の脅威となるレムコ・エヴェネプールなど、2027年ツールの「総合優勝候補暫定ランキング」を客観的に解説します。

スポンサーリンク【PR】

2027年ツール・ド・フランス、総合優勝候補は誰か

2027年のツール・ド・フランスのコースが発表された。2026年大会と比べると、個人タイムトライアル(TT)の距離が増え、本格的な山岳ステージが減っているのが大きな特徴だ。英Cyclingnews誌は、この新コースを踏まえ、7月2日にエディンバラのスタートラインに並びそうな顔ぶれから、現時点での総合優勝候補を「暫定パワーランキング」として整理している。

大会はまだ遠く、主要な候補の多くは、しばらく本気のレースを走っていない。同誌も、あくまで「ごく早い段階での推測」であると断っている。

この記事のポイント
  • 2027年のコースは、TT合計71km。2012年以来最長で、2024年より12km長い
  • 山頂フィニッシュはグラン・コロンビエとポルテ峠の2つだけ(合計33.4km)
  • 同誌のランキングは、ポガチャル、エヴェネプール、ヴィンゲゴー、セイシャス、デル・トロの順
  • TT距離が増えたコースは、エヴェネプールに最も有利。ヴィンゲゴーには不利とみられる
  • ジロ・デ・イタリアとツールの選択が、複数のチームで焦点になる

2027年コースの特徴

コースのおもな特徴
  • 個人TT:合計71km。2012年大会以来最長で、2024年大会より12km長い
  • 山頂フィニッシュ:グラン・コロンビエ、ポルテ峠の2つのみ(合計33.4km)
  • 中級山岳・パンチャー向きのステージ:ル・クルゾ、サランシュ、レ・セジー、マンドなど
  • グランデパール(開幕)はイギリス・エディンバラ。7月2日スタート

暫定パワーランキング(掲載順)

順位選手所属(2027年)ひとこと
1タデイ・ポガチャルUAEチームエミレーツ-XRG過去3回のツールを
平均5分42秒差で制した圧倒的本命
2レムコ・エヴェネプールレッドブル・ボーラ・ハンスグローエ新コースの最大の勝者。
TTで大きなタイム差を稼ぐ可能性
3ヨナス・ヴィンゲゴーヴィスマ・リースアバイク新コースの最大の敗者とされる
4ポール・セイシャスデカトロンCMA CGM20歳。フランスの総合エース候補
5イサック・デル・トロUAEチームエミレーツ-XRG2026年ツール総合3位。
2027年の出場は未定
6フロリアン・リポヴィッツレッドブル・ボーラ・ハンスグローエコースはチームメイトの
エヴェネプール向き
7エンリク・マスモビスター今年のブエルタ・ア・エスパーニャの総合優勝者
8マティアス・スケルモーセリドル・トレック2026年ツール総合6位。
リドル・トレックの総合エース筆頭
9ティメン・アレンスマンネットカンパニー・イネオス71kmのTTを追い風にできる
10フェリックス・ガルリドル・トレック
(デカトロンCMA CGMから移籍)
高山での強さが持ち味。
今回のコースは不向き

1. タデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ-XRG)

5度のツール総合優勝を誇るポガチャルが、今回も本命だ。ツールのクリスチャン・プリュドム・レースディレクターは、ブエルタ・ア・エスパーニャでの落車と負傷を経たポガチャルが以前と同じ選手であり続けるかどうか、疑問を投げかけた。1969年のエディ・メルクスの落車との比較にも触れている。

ただしCyclingnews誌は、自らのレースに注目を集めたいプリュドム氏とは違い、同誌にはスロベニア人が回復して来季ベストの状態に戻ることを疑う理由はないと見ている。ポガチャルは過去3回のツールを、平均5分42秒差で制してきた。今年は6日間でレースの決着がついてしまった展開だっただけに、新コースでサスペンスが増すことを期待しつつも、「証明されるまでは本命」という扱いだ。

2. レムコ・エヴェネプール(レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)

世界選手権と欧州選手権のTTを制しているエヴェネプールは、今回のコース発表で最も得をした選手とされる。TT71kmは2012年以来最長で、山頂フィニッシュも2つに限られる。これは、エヴェネプールがこれまで走ったどのグランツールよりも、本人の得意分野に合ったコースだ。

現時点では、ポガチャルに挑めるとはまだ言い切れないものの、先月の世界選手権TTでは、フィリッポ・ガンナに1分近い差をつけて4度目の世界タイトルを獲得している。このTT力があれば、ほかの選手から数分単位のタイムを稼ぐことも可能だ。ヨナス・ヴィンゲゴーを抑え、パリの表彰台で再び2段目に上る可能性もある。来年5月のジロ・デ・イタリアに復帰するという話も出ているが、これほど自分に合ったツールを逃す手はないだろう、というのが同誌の見立てだ。

3. ヨナス・ヴィンゲゴー(ヴィスマ・リースアバイク)

ツール2勝のヴィンゲゴーは、今回のコース発表で最も割を食った選手とされる。得意とするのは、複数の山を越える長い山岳ステージだが、2027年のコースにはそうした日が少ない。さらに、TTは平坦基調のものが2本で、発表された時もそれほど期待を抱かせるものではなかったはずだ。

ル・クルゾ、サランシュ、レ・セジー、マンドといった、起伏が激しい中級山岳ステージも、より爆発力のあるポガチャルに有利に働く。71kmのTTでは、ポガチャルとエヴェネプールの両方に、さらにタイムを失う可能性が高い。2025年のカーンでは、わずか33kmのTTで、2人に1分以上の差をつけられている。

グラン・コロンビエとポルテ峠で挽回しようにも、エヴェネプールに対しては合計33.4kmの山頂フィニッシュで数分を取り返す必要がある。ヴィスマのマルク・レーフ・ヘッド・オブ・レーシングは、昨年と比べて山頂フィニッシュが少ないと数え、個人的にはもっとあってもよかったと語っている。コースの特性から、ヴィンゲゴーがジロ・デ・イタリアでのタイトル防衛に専念する可能性もあるが、同誌は「おそらくそうはならない」と見ている。

4. ポール・セイシャス(デカトロンCMA CGM)

フランスの新たな総合エース候補セイシャスにとって、2027年のコースは決して理想的ではないが、嫌いなタイプでもないだろう。山岳で攻める機会は少ないものの、それは他の選手も同じだ。20歳のセイシャスは、今年のツール初出場で、ポガチャル、エヴェネプール、ヴィンゲゴー、イサック・デル・トロといった最強の選手たちとまだ同じレベルではないものの、すでに肩を並べて戦える力があることを示した。

来年はさらに強くなっているはずだ。山岳での強さ、パンチャー向きの丘での勝負強さに加え、世界選手権TTでの3位が示す通り、平坦のTTも十分にこなす。ただしエヴェネプールとのTTでは、かなりのタイムを失うことになる。同誌は、前年からの成長を見込み、デル・トロがポガチャルのアシストを務めることを前提に、セイシャスを4番手に置いた。

5. イサック・デル・トロ(UAEチームエミレーツ-XRG)

メキシコ人のデル・トロは、今年のツールで総合3位、ヤングライダー賞(白ジャージ)を獲得した。ポガチャルのアシストとして総合優勝を支えながら、そのサポートも受けて表彰台に上がった。同じ関係が来夏も続くのか、それとも、ジロかブエルタで自身のグランツール総合優勝を優先するのか。デル・トロとジョアン・アルメイダのカレンダーはまだ決まっておらず、答えは出ていない。ツールに戻るのであれば、出場メンバー中、総合力で3〜5番手のどこかに位置づけられるはずだ。

6. フロリアン・リポヴィッツ(レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)

レッドブル・ボーラ・ハンスグローエは、来年のツールでも2枚看板体制を続けるのか。一部メディアの報道が正しければ、そうではない可能性がある。コースを考えれば、TTのスペシャリストであるエヴェネプールの方が、ドイツ人のリポヴィッツより明らかに有利で、その方が理にかなう。

リポヴィッツ自身もTTが弱いわけではなく、ツールの総合表彰台に立った経験もあるが、ジロ・デ・イタリアでの総合優勝を狙うという選択肢もあるだろう。もしツールに出場するなら、高山が得意なだけに山岳ステージが少ない今回のコースは不利でも、トップ10のうち、かなり上位に入る力がある。

7. エンリク・マス(モビスター)

8月のブエルタ・ア・エスパーニャでポガチャルが落車リタイアした後、モビスターのエースであるマスは、レースリーダーの赤いジャージを引き継ぎ、最後の2週間にわたって守り抜いて総合優勝を飾った。それまでブエルタで表彰台に4回立ちながら、もう一段上に突破できずにいたマスだが、今回の勝利と、そこで見せた攻撃的な走りが、31歳の選手の新たな扉を開いたのだろうか。

マスはこれまでツールに7回出場し、2020年と2021年には5位と6位に入っている。層の厚い総合勢の中で、また同じあたりに位置するだろう。ブエルタ制覇で得た自信が、他の多くの強豪の上に押し上げているというのが同誌の評価だ。

8. マティアス・スケルモーセ(リドル・トレック)

デンマーク人のスケルモーセは、来年のツールで、リドル・トレックの3枚看板の総合エース候補の一人となる可能性がある。ただし、スケルモーセ、フェリックス・ガル、フアン・アユソの3人のうち、誰かはジロ・デ・イタリアを優先するはずだ。いずれにせよ、ツールでのリーダー役としては、スケルモーセが最も有力と同誌は見ている。

今年7月は総合6位に入り、今季は不調気味だったアユソを上回った。ガルのTT力の不足は、足かせになる。3人のうち、タイムトライアルに最も強いのがスケルモーセで、それは今年のツールのトノン・レ・バンのTTでの3位が裏付けている。表彰台を狙うのはやや厳しい印象だが、トップ5入りは十分に視野に入る。

9. ティメン・アレンスマン(ネットカンパニー・イネオス)

今回のコースほどTTの距離が長かったのは2012年大会が最後で、その時はブラッドリー・ウィギンスが総合優勝した。当時とはチームの姿もまったく違い、今回はネットカンパニー・イネオスにとって条件が厳しく、表彰台に上がれば奇跡的な結果だ。来年7月の総合エース候補としては、オスカー・オンレーや、調子を取り戻せればカルロス・ロドリゲスも挙げられる。

コースを考えると、最有力はオランダ人のティメン・アレンスマンかもしれない。出場すれば、総合勢の中でも指折りのTT巧者として、71kmのTTで大きなタイムを稼ぐことになる。グランツールでのトップ10入りは4回で、今年のジロ・デ・イタリアでは4位、2025年のツールでは12位だった。今回のコースなら、パリでトップ10入りを果たす力が十分にある。

10. フェリックス・ガル(リドル・トレック)

2027年、オーストリア人のガルは、デカトロンCMA CGMからリドル・トレックに移籍する。ツールでは、同チームの3枚看板の一角になる可能性があるが、スケルモーセ、ガル、アユソのうち、1人はジロで単独エースを務めるはずだ。ジロもTTが多いコースになる見込みだが、2本の長いTTはガルの得意分野ではない。

ガルは、複数の山を連ねる長い登りが得意な、高山向きの選手だ。そのステージが少ない今回のツールは、ガルに向いているコースとは言えない。山で時間を稼ぐ機会はまだ十分にあるものの、最適とは言い難い。

ランキング外の注目選手

そのほかの注目選手
  • リチャル・カラパス(NSN):
    • 山岳賞の現王者。来年は新チームのNSNに加入する
  • オスカー・オンレー(ネットカンパニー・イネオス):
    • 2025年ツール4位。アレンスマンとの共同エース候補だが、同じ結果の再現は難しい。トップ10入りは有力
  • フアン・アユソ(リドル・トレック):
    • 現時点では、リドル・トレックの総合勢で3番手の評価。今年は7位にとどまり、チームの期待を下回った
  • トム・ピドコック:
    • ブエルタの表彰台から1年、今夏のツールでは総合9位と自己最高を記録。今後も総合を狙うかが焦点
  • トビアス・ハラン・ヨハネセン、レニー・マルティネス:
    • ここ2シーズンでトップ10入りの実績がある。上位の本命ではないが、トップ10候補としては十分

まとめ

2027年のコースは、TT重視、山頂フィニッシュは少なめと、これまでとは大きく性格が異なる。ポガチャルの本命視は揺らがないが、エヴェネプールを筆頭に、TT力のある選手たちにも追い風が吹く。各選手のグランツール日程は、来季のカレンダーが固まるにつれて明らかになる見込みで、ツールかジロかという選択が、勢力図をさらに左右しそうだ。

出典
スポンサーリンク
ABOUT ME
みぞお
みぞお
おっさんサイクリスト
関西在住の自転車DIY愛好家。 「自転車組立はプラモデルみたいで面白そう」という直感をきっかけに、ロードバイクの世界へ。 現在は、自転車の組立(バラ完)・メンテナンス情報のほか、10年以上続くフェリー輪行旅の記録、さらに家電修理などのライフハックも発信中。 「自分の手で直して楽しむ」をモットーに、初心者でも真似できる等身大のDIY記録を綴っています。
スポンサーリンク
記事URLをコピーしました