自転車のイヤホンは片耳ならOK?骨伝導は?2024年改正後の罰則と「聞こえない」と判断される境界線
「片耳だけなら違反にならないよね?」 「耳を塞がない骨伝導イヤホンなら、警察に止められても大丈夫でしょ?」
通勤・通学中に音楽を楽しみたい自転車利用者にとって、イヤホンの使用可否は非常に気になる問題です。しかし、ネット上の「これならセーフ」という噂を鵜呑みにするのは危険です。実は、国の法律だけでなく各都道府県の条例によって、「安全な運転に必要な音が聞こえない状態」での走行は厳しく禁じられています。
本記事では、意外と知らない「片耳走行」や「骨伝導」に潜む法的リスクを徹底解説。2024年11月の法改正で取り締まりが強化される中、どのような状態で「アウト」と判定され、5万円以下の罰金や自転車運転者講習の対象になるのか。その「境界線」を正しく理解し、自分と他人の身を守るための安全基準を確認しましょう。

そもそも法律ではどう決まっている?
実は、国の法律(道路交通法)には「イヤホン禁止」とは明記されていません。 しかし、各都道府県が定める「道路交通規則(条例)」で明確に禁止されています。
例えば、東京都や大阪府の規則では以下のように定められています。
東京都道路交通規則 第8条
「イヤホーン等を使用してラジオを聞く等安全な運転に必要な交通に関する音又は声が聞こえないような状態で車両等を運転しないこと。」
つまり、「周りの音が聞こえていない状態」=「即アウト」です。
よくある勘違い:「これなら大丈夫」の嘘
ここで多くの人が陥る「3つの勘違い」があります。
勘違い①:「片耳ならセーフでしょ?」
【答え:グレーですが、限りなく黒に近いです】
片耳であっても、音楽の音量が大きく、警察官の呼びかけやクラクションに気づかなければ違反です。また、片耳でも「注意力が散漫になる」と判断されれば、安全運転義務違反(道交法第70条)に問われる可能性があります。
勘違い②:「骨伝導イヤホンなら耳を塞がないからOK?」
【答え:音量次第ではアウトです】
骨伝導や外音取り込み機能付きイヤホンは「耳を塞がない」ため、比較的安全とは言えます。しかし、条例の基準は「耳を塞いでいるか」ではなく「周りの音が聞こえているか」です。 骨伝導でも大音量で流していて、周囲の音が遮断されていれば違反となります。
勘違い③:「音楽を止めていれば大丈夫?」
【答え:警察に止められる原因になります】
音楽を流していなくても、イヤホンを耳に入れているだけで視覚的には「音が聞こえていない可能性が高い人」に見えます。警察官に職務質問で止められるリスクは非常に高くなります。
捕まるとどうなる?罰則とリスク
2024年11月の道路交通法改正(スマホ・酒気帯び厳罰化)に伴い、自転車の取り締まり全体が強化されています。
- 罰則: 5万円以下の罰金
- (各都道府県の規則に基づく)
- 講習: 3年以内に2回以上の違反切符を切られると、「自転車運転者講習(有料)」の受講が義務付けられます。
- 事故時の賠償: もしイヤホンをしていて事故を起こした場合、「重過失」とみなされ、過失割合が大幅に不利になります(賠償額が増える)。
自転車に乗る時は「外す」が正解
「聞こえているから大丈夫」というのは、あくまで運転者の主観です。 警察官に「止まれ!」と言われて反応できなければ、言い逃れはできません。
わずかな楽しみのために、事故のリスクや罰金を背負うのは割に合いません。自転車に乗る時は、イヤホンをケースにしまい、街の音を聞きながら安全に走りましょう。
まとめ
「聞こえているから大丈夫」という自己判断は、警察官の職務質問や万が一の事故の際には一切通用しません。自転車のイヤホン走行について、私たちが認識すべき現実は以下の通りです。
- 「音」が聞こえなければ即アウト
- 骨伝導や片耳であっても、大音量で周囲のクラクションや緊急車両の音が遮断されていれば、条例違反の対象となります。
- 「見た目」だけで止められるリスク
- イヤホンを装着しているだけで、警察官からは「注意力が散漫な運転者」と視覚的に判断され、職務質問の対象になりやすくなります。
- 事故時の「重過失」という代償
- イヤホン使用中に事故を起こせば、過失割合が大幅に不利になり、高額な賠償責任を負うリスクが激増します。
自転車は便利な乗り物ですが、一瞬の判断遅れが命取りになる「車両」です。2024年11月からの厳罰化の流れを受け、「自転車に乗る時はイヤホンを外す」ことが、法的にも安全面でも最も賢い選択です。街の音に耳を傾け、リスクを最小限に抑えた安全なライディングを心がけましょう。
本記事の執筆にあたり、警察庁および各都道府県警察の公式サイトを根拠としています。
- 警視庁(東京都): 自転車の交通ルール 安全な乗り方
- 「傘差し運転・イヤホン等使用運転の禁止」の項目にて、5万円以下の罰金となる旨が明記されています。
- 大阪府警察: 自転車の交通安全マナー
- 大阪府道路交通規則により、警音器や警察官の指示が聞こえない状態での運転が禁止されていることが記載されています。
- 神奈川県警察: 自転車のルールとマナー
- 「イヤホンやヘッドホンを使用し、音楽などを聴きながらの運転」が禁止事項として挙げられています。
- e-Gov 法令検索: 道路交通法 第70条(安全運転の義務)
- 具体的なイヤホンの記述はありませんが、安全操作を怠る行為全般の法的根拠となります。


