【GIANT MR 4F再生記録】14年ぶりに蘇った“走れる折りたたみ”|DIY整備で名車の乗り味を取り戻すまで

「14年ぶりに、あの名車が目を覚ました」
そんな再生劇の主役は、2008年モデルのGIANT MR 4F。
この記事では、長期保管されていた小径折りたたみバイクをDIYで整備し、再び走れる状態に仕上げた工程と乗り味の変化を実体験ベースで紹介します。
この記事でわかること
- GIANT MR 4Fの特徴と14年ぶりの再生背景
- クランク・変速機・チェーンなどの不調と交換パーツ
- DIY整備で苦労したポイントと工夫
- 試乗レビューと“復活した乗り味”の印象
- 小径折りたたみの魅力と今後の活用アイデア
2008 GIANT MR 4F
友人から依頼:ちゃんと乗れるようにオーバーホールしてほしい

家の中に入れるのも困るくらいに汚いと言われているけど、預かりました
![2008 Giant Bicycle [MR-4F] -outline-](https://bike-memo.com/wp-content/uploads/2022/12/gaibu-link-320x180.jpg)
費用・パーツ代
今回、交換したパーツの金額
概算金額:9,000円
シフトケーブルセット:約2,500円
ブレーキケーブルセット:約2,500円
チェーン(8速用):約1,300円
ブレーキシュー:約1,000円
ヘッドパーツ(スレッド):約1,000円
ハンドルグリップ(特価品):約700円
出来るだけ使いまわして費用をかけずに作業を行っています
オーバーホール開始
故障している箇所や交換部品を目視で確認
分解
ゴミ捨て場から拾ってきたのか?と思うくらい汚れています
目視確認

マイルドな写真のみ公開します。ヤフオクで買って、そのまま放置していたそうですが、痛んでいる箇所が多い
スプロケットやリア周りの汚れがひどい
トルクスレンチで作業できないから、RD交換
ヘッドパーツの確認

プラスチックパーツの劣化・ベアリングにゴリゴリあり
クランクを外す
もう使う機会がないと思っていたコッタレス抜きを使用

BBを外す
これも使用頻度が低いBB抜きを使用

グリスアップすれば使えそう

予算に余裕があれば交換したいが、グリスアップで対応予定
サスペンションを外す
大きなバネが入っているだけなので、クリーニング後使用

プラスチックパーツが割れているが、使用に問題なさそうなので、このまま使用する
その他
アーレンキーがあれば部品を外せるので割愛
消耗品の交換(チェーン・ブレーキシュー)
クリーニング
フレームを水洗いしました(自転車の水洗いは反対意見が多いですが、気にせず作業)

フレーム・パーツを磨く
コンパウンドで磨きます
フレーム

クランク

組立作業前確認
クリーニング後、状態確認
コンポーネント類

壊れているパーツなし
フレーム

大きなゆがみなどなし
RD交換

在庫で持っていたRD-2400に交換(8速対応)
消耗品の発注
必要なものを友人に伝えて送ってもらいました

サードパーティー製にしても良かったのですが、信頼性を重視してシマノ製で統一
写真に含まれていませんが、ヘッドパーツも交換
組立開始
組立てるだけなので、プラモデルと同じ感覚でパーツの取付

ヘッドパーツ
ヘッドパーツリムーバーのサイズが2種類あるので、注意です
工具準備
工具を準備するのに時間がかかりました(友人に借りに行けなかった)

左:1インチ~1-1/8インチ用/右:1-1/8インチ~1-1/2インチ用
古い上下ワンをたたき出す
リムーバーの広がっていない方から突っ込み、カチッとはまるところで留める
金槌でリムーバーを叩いて少しずつ外す(ゴムハンマーはNG)

一気に叩くと、パーツが飛んでいくので危険
新しいパーツを圧入
ゆっくり圧力をかけて入れていきます(焦らずゆっくり)

フォークをセットし、玉当たり調整
締めすぎず、緩めすぎず、固定すれば完成

ケーブルセット
分解する前のアウターケーブルの長さを参考に、必要な長さにカット

BB下の処理
このフレーム独特の処理がありました

サスペンションが動く範囲で、少し余裕を持たせた長さで調整
チェーンのセット
RDのキャパシティに合わせてスプロケット交換(34Tまで対応)も検討しましたが、今回はなし

ブレーキシュー交換
消耗品なので、新しいものに交換

グリップの取付
エルゴモデルが良いとオーダーを受けたので、手持ちの在庫を使用

ラビットストリート閉店時の特価品
傷防止シール貼り付け

以前は傷防止シールを張っていないので、傷が目立ちます
作業完了
クリーニング・磨きの時間がかかりましたが、組立作業は簡単

タイヤは用意が間に合っていないので、古いまま
試乗
天気は良いけど、歴史的寒波の日に長距離ライドは大変なので、近所を走ってきました

タイヤが固まっているので、乗り心地が悪い
シフト・ブレーキともに正常動作
楽しい
レストア・オーバーホールは楽しい!
長年放置されて、汚れ・動作不良のミニベロが復活したので、今後はもっと大事に乗ってもらいたい
【まとめ】“名車は、眠っていても価値がある”——GIANT MR 4F再生で味わったDIYの達成感と走りの魅力
今回の再生整備では、長期保管されていたGIANT MR 4Fを自力で蘇らせることで、DIYの楽しさと小径折りたたみの魅力を再確認できました。
パーツ交換や調整には手間がかかりましたが、完成後の乗り味は“現役”と呼べるほど快適で、再び走らせる価値を実感。
小径ながらスピードのノリが良く、サスペンション付きで街乗りにも最適——輪行や通勤にも活用できるポテンシャルを秘めています。
“古いから使えない”ではなく、“古いからこそ蘇らせたい”——そんな思いが詰まった再生記録でした。