高価な専用工具なしでもできる!? PINARELLO GALILEOのヘッドパーツ交換で操作感をリフレッシュ

「“高価な専用工具がなくても、ここまでできるのか!?”」
そんな驚きと達成感が詰まったのが、PINARELLO GALILEOのヘッドパーツをDIYで交換した実践記です。
この記事では、4年以上乗り続けた愛車のハンドル操作に違和感を覚えた筆者が、専用工具なしでヘッドパーツを交換するまでの工程を、写真とともに丁寧に紹介。
BB30と同規格のベアリングを活用したコスパ重視の工夫や、圧入のコツ、作業時の注意点など、DIY派にとって役立つ情報が満載です。
「プロに頼まなくても、ここまでできる」——そんな自信をくれる一記事。
ロードバイクのメンテナンスに挑戦したい方は、ぜひチェックしてみてください。
🛠️ この記事でわかること
- PINARELLO GALILEOのヘッドパーツ構造と交換のポイント
- BB30規格ベアリングを流用するメリット
- 圧入工具なしで作業するための工夫と注意点
- ヘッドパーツ交換による操作性の変化と乗り心地の改善
- コンポ交換とあわせて行うと効果的なメンテナンスの流れ
メンテナンス
長年乗り続けている”PINARELLO GALILEO”のヘッドパーツを交換して、4年以上経過しているので、ハンドルの動きが少し渋くなっています

DIYでピナレロ(ロードバイク)のヘッドパーツ交換します
オーバーホールのタイミング
2~3年でオーバーホールを行っていて、先日コンポの入れ替えと一緒に作業をしたのですが、工具がないことに気が付き、作業を先延ばししていました

圧入ベアリング用工具
BBのベアリングを交換するための工具を買っていたのですが、押し出し工具の長さが足りなかった

スペーサーを自作して作業を検討したのですが、別のものを買うか友人に借りるか悩んでいました
ヘッドパーツ押し出しポンチ
Amazonなどでは、軒並み1-1/8インチ工具が品切れ・値上がりしていたので、購入見送り
ブログを書くときには値下がりしている・・・
友人に借りる
友人に自転車組立を依頼されているので、足りない部品を預かるタイミングで工具を借りました
ヘッドパーツ交換
2003年モデルのピナレロは、汎用ベアリングをヘッドパーツとして圧入しています
![[ピナレロ]ヘッドパーツ交換しました。(BB30同規格)](https://bike-memo.com/wp-content/uploads/2019/02/custom_B94-320x180.jpg)
必要パーツ
交換するベアリングの規格は、6806(シールドあり)です

BB30同規格
たまたまなのか、BB30のベアリングと全く同じ規格なので、Amazonなどのネット通販で簡単に購入できます
NTN 6806LLU
モノタロウで購入できるシールドあり規格を購入しました

(6806RSとメモをしているけどNTNでは見つけられず)

2個購入
ヘッドパーツは、上受けと下受けが必要なのと、このフレームは同サイズ2個使われています
※オーバーサイズなどでは下受けが大きなサイズになります
使用工具
ヘッドパーツを取り外して、取り付けるのに必要な工具

ヘッドワンリムーバー
友人に借りた1-1/8インチの押し出しポンチ
ハンマー
ヘッドワンリムーバーをたたくための金づち(ゴムハンマーNG)
圧入工具
ヘッドパーツを圧入するために必要(なしでも作業可能)
アーレンキーなど
ステムなどのつけ外しに使用(サイズは使用しているパーツにより違う)
コラムスペーサー(アルミ)
圧入作業時にあったら便利
ステム(写真なし)
今回の作業では使用していませんが、アルミ製ステム
トルクレンチ(写真なし)
ステムなどのネジを締め付けるときに必要(なしでもいいけど、自己責任)
作業開始
ベアリング・工具が揃ったので、作業を始めます
ブレーキ取り外し
フロントフォークを外すためには、直接ケーブルがつながっている前ブレーキを外しておきます

ケーブルを外すか、本体ごと外すかは、お好みの方法で
ステム(ハンドル)取り外し
ステムだけを取り外して、フロントフォークを抜きます
ステムネジを緩める
ネジを抜いてしまう必要はないですが、外せるように緩めます

使っているステムのネジは5mmでしたが、カーボン製ステムなどは4mmが多い
フロントフォーク取り外し
ヘッドキャップのネジを外せば、フォークを外せます
ヘッドキャップ取り外し
5㎜のアーレンキーを使ってネジ・キャップ・スペーサーを取り外します

外した部品は、再利用しますので、無くさないように、保管してください
フォークを押す
ヘッドパーツのキャップがストッパーになっているシンプルな仕組みなので、ゴムハンマーで軽く叩くか、下から引っ張れば抜けます

下から引っ張って外しました

キャップは、軽く引っ張ればとれます

ベアリングを外す
ベアリングが見えましたが、見た目では劣化しているのか分かりません

ヘッドワンリムーバー
上受けを外すときは、リムーバー先端から押し込んで、下から叩く(下は逆)

ハンマーで叩く

一気に叩くとベアリングが飛んでいきます
新旧比較
メーカーから取り寄せたベアリングは、交換したものと同じでした

6068RSではなく、6068LUUが、メーカー品ってことになりますね
再利用不可
外したベアリングは、叩き出した影響で、ゴムカバーなどに傷があるので、もう使えません

ベアリングが渋いから交換しているので、再利用を考える人はいないですよね
ベアリング圧入
汚れを拭いてから、新しいベアリングを圧入していきます

ツライチ
外す前はもう少し中に押し込んでありますが、もっている圧入工具では、これが限界

作業効率は落ちますが、上と下は別々に作業をした方が、安物圧入工具では失敗しない

更に圧入
きっちり圧入するためには、そのまま組んでしまう方法をとります

隙間
フレームとフォークの間に隙間ができています

手で押し込むは無理

アルミ製ステム使用
アルミ製のステム・スペーサーを挟んで、ヘッドキャップを締め付けていきます

規定トルク
規定トルクまで締めると、ベアリングが正しい位置に圧入されています

圧入完了
しっかりヘッドキャップを締め付けたら、隙間なくベアリングが圧入できています

圧入工具不要
察しの良い読者の方は気が付いていると思いますが、圧入工具なしで、フロントフォークだけで圧入可能です(位置がずれないように、コツがいりますが・・・)
カーボンステムは避ける
圧入作業にカーボン製のステムやスペーサーを使うのは避けた方がいい
通常と違うトルクをかけるので、最悪割れます
仕上げ・戻す
外したブレーキなどを元に戻して作業終了です

トルクレンチ
ネジの最終締め付けは、トルクレンチで正しいトルクを守りましょう

適当に締めると、ネジをなめたり、フレームが破損したりします
まとめ
Pinarello Galileo 2003のヘッドパーツ(ベアリング)をDIYで交換しました
作業簡単
作業に慣れているのもありますが、写真を撮りながら作業でも30分くらいで終了

汎用部品
専用パーツが問題になる古いピナレロですが、ヘッドパーツは汎用部品を使えるので、比較的安価に交換可能

改善
ヘッドパーツは意外と見落としがちですが、ここがスムーズに動かないと、操作性だけでなく乗り心地が悪くなります
DIY可能
4年前は自転車屋に頼みましたが、部品調達から交換作業は、多少専用工具が必要ですが、自分で作業可能なので、DIYするのも良いかもしれません
あと3年は戦える
コンポ交換のオーバーホールと消耗品交換を行ったので、もう少し長く大事なロードバイクに乗り続けられそうです

交換部品
ピナレロのヘッドパーツ交換部品の目安
ストレートタイプ
ヘッドパーツの上下が同じ口径の場合
規格:6806
シールドありであれば、何でも可
※BB30(ボトムブラケット)と同規格
Amazonで購入
日本製がオススメ
テーパードタイプ
ヘッドパーツの上下で口径が異なる場合(下の方が大きい)
規格:6806(上)・6808(下)
シールドありであれば、何でも可
Amazonで購入
日本製がオススメ
ヘッドパーツ交換で感じた、“操作感の復活”と“DIYの達成感”
見落としがちなパーツこそ、交換効果が大きい
ヘッドパーツは普段あまり意識しない部分ですが、ここがスムーズに動かないとハンドリング全体に影響。
交換後は、段差での衝撃吸収やコーナリング時の安定感が明らかに向上しました。
工具がなくても“やってみる価値あり”
今回は、ゴムハンマーやフロントフォークを活用して圧入作業を実施。
位置合わせに少しコツは必要ですが、DIYでも十分対応可能な作業だと実感しました。
“まだまだ乗れる”を実感できるメンテナンス
コンポ交換とあわせて行った今回の作業で、愛車の操作感が見違えるほど改善。
「もう少しこのバイクと付き合っていこう」と思える、気持ちのリフレッシュにもつながる整備でした。