タデイ・ポガチャルが2027年の3大目標を発表!ツール6勝目とブエルタ制覇へ
2026年シーズン、ブエルタ・ア・エスパーニャでの痛ましい落車負傷によりシーズンを早期に終えたタデイ・ポガチャル選手(UAEチームエミレーツ)ですが、すでに「オフシーズンは終えた」と語り、来季に向けた準備をスタートさせています。
本記事では、スロベニアの国営放送『RTV SLO』の報道をもとに、ポガチャル選手が早くも明言した2027年の「3つのビッグターゲット(ツール・ド・フランス6勝目、世界選手権、ブエルタ・ア・エスパーニャ)」や、様々な憶測を呼んでいた落車の「本当の原因」、そして今後のレースプログラムの見通しについて客観的に解説します。
RTV SLOの記事をまとめました。
Tadej Pogačar že razkril glavne cilje za sezono 2027 – RTV SLO
ポガチャル、2027年の3大目標を明言

タデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ-XRG)が、早くも2027年シーズンの主要目標を明らかにした。舞台は、スロベニアのヴォルチ・ポトク樹木園で開かれたチャリティ・ゴルフシリーズの閉会イベント。今季はブエルタ・ア・エスパーニャ第8ステージでの落車・負傷により8月末でレースを離れたが、本人は「すでにオフシーズンは終えた」と話し、新シーズンに向けた始動をすでに果たしている。
- 2027年の3大目標は「ツール・ド・フランス」「世界選手権(オート=サヴォワ)」「ブエルタ・ア・エスパーニャ」
- ツールでは史上最多となる6勝目、ブエルタでは今年果たせなかったグランツール制覇を狙う
- 先週にはすでに新シーズンのトレーニングを開始。例年より約1か月早い始動
- 欧州選手権は、再び落車するリスクを考えて出場を見送ったと説明
- 落車の原因は「大きな石」だったと、本人が明言
- 2026年も、UCIランキング首位で冬を迎えるのは6年連続
新シーズンはすでに始動 ― 次の一歩はアブダビ
ポガチャルによれば、所属チームの大半の選手は今も今季のレースを走っており、自身はすでにシーズン間の休養を終えている。先週から新シーズンの準備に入り、現在は「ゆっくりと土台を作っていく」段階にあるという。トレーニングを再開してからは1週間ほどが経過しており、例年と比べると1か月早い始動だと話している。
来週にはチーム全員でアブダビに向かう予定だ。スポンサー関連の公式行事や、現地ファンとのサイクリングイベントに加え、チーム首脳陣との話し合いの場にもなる。ポガチャルはすでに休養を終えているため、来季の具体的な活動内容についても話し合う見通しで、今月末までには大まかなレースプログラムが固まると話している。
2027年の3つの目標
ポガチャル自身が口にした来季の目標は、次の3つだ。
| 目標 | 日程・舞台 | 狙い |
|---|---|---|
| ツール・ド・フランス (第114回) | 7月2日、エディンバラ(スコットランド)で開幕。 最初の3ステージはイギリスを走る。最終日は7月25日にパリ | 史上最多となる6勝目 |
| 世界選手権 | フランス・オート=サヴォワ。 男子エリートのロードレースは8月29日(日) | 世界選手権での勝利 |
| ブエルタ・ア・エスパーニャ (第82回) | 9月4日〜26日(世界選手権の6日後に開幕) | 残る3つ目の3週間グランツールの制覇 |
- ポガチャルは、来年7月に史上最多となる6勝目を挙げることを狙う
- 大会は7月2日にエディンバラで開幕し、最初の3ステージでイギリスを縦断する
- 残りのコースを含む第114回大会の全貌は、10月22日(木)にパリで発表される予定
- 最終日は7月25日、パリで迎える
- 男子エリートのロードレースは8月29日(日)に開催される
- 1980年大会で使われた、「史上最も厳しい」とされるコースが再現される
- サランシュの街を周回し、コート・ド・ドマンシー(2.5km、平均勾配9.4%)を20回登る
- 全長265kmで、獲得標高は5,700mに達する
- 来年は、自転車競技の統合世界選手権が開催されるため、大会全体が9月(4日〜26日)に行われる
- 世界選手権のロードレースからわずか6日後に開幕する
- ポガチャルは、今年果たせなかったブエルタ制覇を、グランツール3つ目の勲章として手にしたいと考えている
ポガチャルは、来年の希望は世界選手権とツール、そしてブエルタの組み合わせだと語る。今年ブエルタがうまくいかなかった以上、本音を言えばジロ・デ・イタリアに出たい気持ちもあるが、どこかでブエルタも制覇しておく必要がある。それが来年の目標になるだろう、という趣旨のコメントを残している。
焦点は「シーズンの組み立て方」

主要目標が7月初旬から9月末までに集中するため、UAEが2027年のレースプログラムをどう組み立てるかが注目される。早めにシーズンを始めたうえで夏の前に長めの休みを取るのか、それとも特に春のクラシックの出走数を絞るのか。まだ見えてこない。
オーストラリアでは、ポガチャルがツアー・ダウンアンダーに戻ってくることを望む声が強い。同選手は2019年に同大会でワールドツアーデビューを果たしたが、そのレースは、出場したステージレースの中で唯一、総合トップ10に入れなかった大会でもある。
欧州選手権を断念した理由
今季、ポガチャルは母国スロベニアで開催された欧州選手権(シェンチュール)にも出場できなかった。本人によれば、ケガはかなり重く、自転車に乗れるようになるまでには5週間かかったという。肩の状態が落ち着き、後遺症やめまいも消えたところで、休暇を挟みつつ、トレーナー(ローラー台)でのトレーニングと理学療法を開始。欧州選手権に出場できるかもしれないという思いが、リハビリの原動力にもなっていた。
しかし、欧州選手権の2週間弱前になって、出走する意味はないと判断したとポガチャルは説明している。もしまた落車すれば、結果は深刻なものになりかねない。リスクを冒す価値はなかった、という。
落車の原因は「大きな石」
ガンディア近郊(バレンシア地方)での落車の原因をめぐっては、これまでさまざまな説が出ていた。石のほか、カメラのフラッシュ、テレビ中継用カメラのバッテリー、一部の選手がヘルメットに付けているカメラなどだ。ポガチャルはこの日、記者会見でこの件に決着をつけた。「大きな石だった。それ以外は、すべてフェイクニュースだ」と明言している。
負傷については、左鎖骨の骨折・脱臼と頸椎の骨折に加え、医師団は脳震盪も懸念していたという。本人は、ケガは重く痛みも強かったと振り返っている。
2026年シーズンを振り返って
- ツール・ド・フランス(自身5度目の総合優勝)
- ストラーデ・ビアンケ
- ミラノ〜サンレモ(初優勝)
- ツール・ド・フランドル
- リエージュ〜バストーニュ〜リエージュ
- ツール・ド・ロマンディ、ツール・ド・スイス
シーズン終盤にレースを走れなかったにもかかわらず、ポガチャルは6年連続でUCIランキング首位として冬を迎える。公式にも「世界ランキング1位」の座を保ったままだ。
チャリティ活動 ― 今年は「最も積極的な年」
ポガチャルは、今年が自身の財団にとって最も積極的に活動した年だったとも明かしている。財団は、重い病気を抱える人々や、困難な状況にある若者・家族を支援している。今年は、深刻な暴風雨の被害を受けた地元コメンダの住民のために、11万8,000ユーロ(約2,191万円)を寄付した。
- キャンペーン名は「Never give up, always give back(決してあきらめず、いつも恩返しを)」
- ゴルフ場のオーナーで実業家のJoc Pečečnik(ヨツ・ペチェチニク)氏が、同キャンペーンのためにゴルフトーナメントのシリーズを主催
- 最終日の日曜には、著名人の私物など20点以上が並ぶオークションを実施
- 出品物には、ポガチャルのサイン入り限定版コルナゴ「V4Rs」、本人のヘルメット・シューズ、サイクルウェア3点などが含まれる
- ほかにも、マイク・タイソンのサイン入りボクシンググローブ、アンゼ・コピタルのホッケースティック、ヤン・オブラクのキーパーグローブとジャージ、ティナ・マゼのスキーウェア、ゴラン・ドラギッチのバスケットボール、マルク・マルケスのレーシングバイザーとニープロテクター、ドメン・プレヴツのスキー板などが出品
- 収益は、タデイ・ポガチャル財団、レッドボール財団、ティナ・マゼ・スキーアカデミー、ドメン・プレヴツのファンクラブの4団体に分配される
なおポガチャルは、前日の土曜日、長年の親友で、現在はUAEチームの重要なアシストでもあるジガ・イェルマンの結婚式に出席していたという。
まとめ
負傷という予期せぬ形でシーズンを終えたポガチャルだが、すでに次のシーズンに向けた準備は始まっている。ツールでの6勝目、世界選手権、そして悲願のブエルタ制覇。主要目標が夏から秋に集中する2027年に向けて、シーズンの組み立てがどうなるのかは、今月末のチームとの話し合いを経て明らかになりそうだ。
- To. G., “Tadej Pogačar že razkril glavne cilje za sezono 2027”, RTV SLO(スロベニア国営放送)、2026年10月18日
