[CIOCC FALCO]イタリアンメイドバイク組立記録
CIOCC FALCO
自転車仲間のクロモリフレームを購入・部品集め・組立までを、最初から公開します
この記事は2012年に公開していた記事をまとめています
イタリアンバイク
現在のフレーム生産国は、ほぼ中国・台湾ですが、イタリアで製造された珍しいモデル
今中大介氏
近代ツールドフランスを走った今中大介氏が、所属していた「ポルティ」が使用していたメーカー
※一部のマニアしか知らない情報
クロモリフレーム
現在主流はカーボンフレームですが、乗り心地の良さで、今も根強い人気があります
クロモリは重いが、振動吸収性が良く乗り心地が良いと言われている
カーボンと比べると、安価に好みの形状を作れる
フレーム入手
自転車仲間が「CANNONDALE CAAD4 SAECO」を探していた時、ヤフオクに出品されていたフレームをメールで伝えたのが事の始まり
ヤフオクで落札
当時の資料が残っていませんが、5万円くらいで落札したと思いますが、新品未使用のデッドストック品でした
デッドストック
出品者情報では、1990年代中盤生産された新品未使用(未組立)
CIOCCとは?
イタリアでは有名なクロモリフレームビルダー(日本には代理店がない)
http://www.ciocc.it/index.php/it/
クロモリ好き
購入した自転車仲間は、2台目のクロモリバイク
- パイプ種類:デダチャイ
- 溶接方法:tig溶接
- 生産国:イタリア
イタリアンバイク
自転車仲間は、メインバイクとしてTommasini Technoに乗っています
- パイプ種類:コロンバス
- 溶接方法:ラグ溶接
- 生産国:イタリア
コンポネントなど
カーボンパイプにクラックが入ったバイクから、使える部品を移植し、足りないものは順次揃えていく
組立
入札から、部品調達・組立までワタクシが行うことになりました
組立計画
フレームにクラックが入ったフレームから使えるものは移植しますが、足りないもの・拘りたいポイントは、新規購入するなどカスタムを検討します
CIOCC FALCO
刻印はありませんが、「made in Italy」(年式不明)
デダチャイ
フレーム(パイプ)は、「Dedacciai ZERO 18 MCDV6 H.T.」
軽量フレーム
グレードは不明ですが、クロモリにしては、軽量
重量の記録がありませんが、自転車屋で軽いと言っていました
再利用パーツ
SHIMANO 105(5500)の9速
ブレーキレバー ST-5500
ダブル/トリプル兼用
ブレーキキャリパー BR-5500
銀色パーツ
フロントディレイラー FD-5500
直づけ仕様
トリプル用だけど、3速目を使えないようにして使用
リアディレイラー RD-5500
銀色
スプロケット CS-6500
9速(12-27)
坂が楽になるように、ここだけULTEGRAです。
この当時はULTEGRAにしか25Tより上がなかったらしい。
クランク SHIMANO 600(165mm/51-41T/PCD130)
ワタクシがヤフオクで買った秘蔵の品
落札金額3,200円+送料500円だったはず・・・。
自分のサイズに合わないのに状態が綺麗から勢いで買ったのは秘密です。
ホイール
CAMPAGNOLO SCIROCCO G3
ちゃんと振れ取りをしてもらっても、両手放しができない謎ホイール
BB
以前のバイクとは規格が違うので使いまわし不可
ITA規格
このフレームには、BBの規格はイタリアンが必要
手持ちはBSAだったので、新規購入決定
BSA 68mm(シェル幅) 右(クランク側)が逆ネジ
ITA 70mm(シェル幅) 左右ともに正ネジ
最近ではBB30(圧入式)という規格もあり
ロードエンドアジャストボルト
クロモリなどでエンド部分にネジがついているネジがないので、購入した方がいいような、なしでも使えそうな感じ
以前のフレームでは、ホイールやスプロケットによってネジ位置の調整が必要だったそうですが、今は真っ直ぐになっていれば問題ないようです。
BB下のケーブルガイド
シフトケーブルを通すための、ケーブル受けが必要
以前のバイクパーツを再利用できるか検討
ハンドルとステム
以前のバイクから移植決定
見た目が気に入らなければ、交換
シートポスト
サイズは測る場所によって26.0mm〜268.mmと規格がバラバラ
実測する必要あり
以前のバイクパーツ再利用可能か調べる
シートポスト留めのネジ
クロモリ全盛期は、この規格も各ビルダー毎にバラバラ
以前のバイクから再利用可能か調べる
フロントディレイラーバンド
直付け台座があったので、用意する必要なし(結構珍しい)
チェーン
以前のバイクのチェーンは交換後100kmも走っていないので、再利用
長さが合わなければ、新規購入
ケーブル類
チェーンと同様に、交換したばかりなので、再利用(アウターは色指定あるかも)
長さが合わなければ、新規購入
バーテープ
新規購入(山吹色希望)
タイヤ類
新規購入(サイドのロゴが大きなもの希望)
その他
上記で大体組みあがると思いますが、カラーコーディネートを含めて、交換する必要があれば、順次対応
ボトルケージ
シクロジャンブルで購入したミノウラ製(黄色2個)
運搬
勤務先の大阪梅田に落札したフレームを送ってもらったので、傷をつけずに自宅作業場へ運ぶ必要があります(自転車仲間は会社の上司)
大型画板バック
デザイン関係の職場だったので、大型画板バックが丁度いいサイズだった
自転車を運ぶ人
ボーナス時期には、電車でホイールを運ぶ人は珍しくないが、当時は輪行も変わり者扱いだったので、人とぶつからないように気を付けて運びました
電車で人身事故
普段利用している乗車予定の電車が、並走する路線の人身事故の影響で、普段より人が多い
報告
会社に引き返して、翌日に運んでも良かったのですが、休みになるので、自転車仲間に事情をメールし、混雑した車両になるが、運びました
大型荷物
狭い車内で申し訳ない気持ちになりながら、出来るだけ邪魔にならない場所に移動させつつ、無事最寄り駅まで到着
徒歩がキツイ
駅から自宅まで15分徒歩なのですが、重くはないが大型荷物を運ぶのは、意外と大変でした
部品調達
自宅作業場に持ち帰ったフレームに、取り外したパーツなどが使えるか調べました
シートポスト
以前のバイクから、シートポストを移植してみます
NG
サイズ合いません
細い
ノギス計測
ノギスを使って計測したら、26.8mmだったので、購入決定
クランプボルト
同じく以前のバイクから、クランプボルトを移植できるかチェックします
NG
サイズ合いません
25mm以下
取り外したクランボルトの長さは25mmなので、それ以下が必要
突起なし
供回りを防ぐ突起を取り付けられないので、加工も必要?
カンパニョーロ
カンパニョーロ製品で、該当するサイズがありました
- 長さ19mm(外側の長さ22.4mmなので合いそう)
- 突起なし
- 1,000円くらい
もう販売しているサイトを見つけられないので、突起を削るしかないかも・・・
購入
自転車屋で、スギノ製を削ってもらったのですが、イマイチだったので、カンパニョーロ製を取り寄せました
1060円+送料80円
サドル
乗り心地が良ければ、なんでも良いと自転車仲間から言われていたので、ヤフオクで良いものを購入
セライタリア XO(イエロー)
落札金額3,000円+送料600円
- 仲間で評判がいい
- サドル沼にハマった友人が絶賛
- 黄色
- マイヨジョーヌカラーは珍しい
色?
自転車仲間が、実物を確認したら、「街乗りだから黒でもよかった」
時すでに遅し・・・このまま行きます
発注
自分で見て判断できるものは、大体用意できたので、自転車屋に持ち込んで確認と、DIY出来ない箇所を依頼しました
先に調べたものを発注して、不足を調べてもらいました
アウターケーブル受け
アウターケーブル径4mmで同じサイズなのですが、先端が傷みやすいので、それを保護するキャップがあるそうです
- ケーブル用アウターケーブルキャップ(6mm)は合わない
- 4mmのアルミ製
- 現在は、ほぼ見かけることがないレアなパーツ
預かる
自転車仲間が購入した部品も預かっていきます
作業依頼
工具を持っていない・この部品は無理なのが、ヘッドパーツの圧入なので、自転車屋に持ち込みました
ヘッドパーツ取付
全て自転車屋に任せるしかないのですが、用意するパーツはJIS規格になります
規格
1インチスレッドタイプが必要
- JIS規格
- 27.0mm(下玉押し圧入部) 30.0mm(ヘッドチューブ)
- イタリアン規格
- 26.4mm(下玉押し圧入部) 30.2mm(ヘッドチューブ)
ほぼ誤差のようですが、部品を圧入して固定する為にわずかなサイズ違いでもパーツを傷つけたり、最悪フレームが割れるそうです。
TANGE PASSAGE DX
安くて品質が良いとオススメされたので、作業込みで依頼しました
- 国内メーカーなので入手しやすい
- 色を選べる
- 安い(3,000円程度)
工賃込み
作業工賃含めて6,000円で取り付けてもらいました
実際は、コラムの長さがいい加減で、ネジ山があるコラムをカットしてもらったり、大変な作業だったのですが、ヘッドパーツ取付工賃だけでした
コラムが長い
作業をしている写真を送ってもらいました
ネジ切りコラムをカットするのは至難の業
作業開始
揃えた部品を少しずつ組んでいきます
コンポーネント取付
当時、数台のスポーツバイクを組み立てた経験があり、慣れていたので珍しい個所以外記録に残していませんでした
コンポーネント取付は、どの車種も大体共通
BB下ケーブルガイド
シマノとカンパニョーロの2タイプあり、両方購入しました
ねじ切り
M5ネジで取り付ける時に、ネジ山を切ってなかったので、ねじ切りしました
M5ネジ山でネジ切りしました(失敗できないので怖かった)
シマノ製
アセンブルコンポがシマノなので、ガイドもシマノ製にしました
BB下ケーブルガイド:365円
発見した傷
作業中に傷が入ったものや購入時にあった塗装剥げを記録しておきます
購入した時点で10年以上経過していたので、塗装が弱っている可能性あり
ハンドメイドなので、多少の傷は気にしない方が精神衛生上よろしい
作業中の傷
シートポストのフィキシングボルトを締める時に塗装が割れました
似た色のタッチペンを買って補修しておきます
購入時の傷
ヘッドパイプに塗装割れがありました
自転車屋でヘッドパーツをつけてもらう前に確認していたので、元からあった傷
シフトケーブル受けに塗装が削れた跡がありました
輸送中に、何かが当たっていたと思いますが、購入時からあった傷
タイヤ装着
購入したタイヤ(CONTINENTAL ULTRA SPORT)で、チューブ3本ダメにしました
- 硬い
- タイヤとリムの愛称が悪い
- ワタクシの経験不足
タイヤレバー
タイヤレバーを使った作業が良くなかったと思いますが、硬くて手では嵌められなかった
失敗を3回も経験したので、よい練習だったと思っておきます
バーテープ
自転車仲間こだわりの色で巻きました
組みあがる
組みあがったので、試乗しながら問題点がないか確認します
試走
自転車仲間より先に長距離を乗り回す訳にはいかないので、少し走って問題点を探します
反応良し
高級カーボンバイクのように、しっかりとした反応が快適な印象
衝撃吸収
路面が少しガタガタするところでも、体に来る振動が少ないように感じました
フロント変速違和感
FD変速がおかしいけど、こんなもんだと思っていましたが、自転車屋が見ると問題点を指摘してくれました
FD台座不具合
台座の位置が悪く、普通に取り付けるとチェーンリングに沿った形にならない
台座を修正してもらうか、何か加工が必要
FDは取付位置で決まる
自転車屋で言われたFDでのトラブル時の原因
FD変速不調は、本体取付位置が悪い(ほぼ100%)
問題解決
指摘してもらったFD不具合を解決しました
FD台座加工
一般的には削って角度を変更すると教えてもらったのですが、技術に不安があったので、スペーサーを作成しました
鉛シート
失敗した加工例で、釣具屋で購入した鉛シートを使いました
加工しやすく柔らかいので使用しましたが、柔らかすぎてダメでした
ステンレス釘
成功はしたけどやり直した方法で、硬いものとして加工しやすいと思った釘を切って挟みました
調整するときに、理想の角度を再現するのが面倒
アルミシート
成功した方法で、アルミシート(空き缶)をハサミでカットしてスペーサーを作成しました
クロモリはハンドメイドなので、修正する技術が必要
チェーンリング交換
FD変速不具合の原因に、チェーンリング(8速)も考えられ交換しました
効果なし?
9速用チェーンリングに交換しましたが、思ったほど変速が良くなりませんでした
FD交換
トリプル用を使っていたのが良くなかったのか、グレードを落としてダブル用に交換しました
変速調整で、問題なく使えるとネットなどで書いてあったので使っていました
FD-4500
Tiagraグレードのダブルを用意しました
不具合発見
いざ、交換しようと新旧比較をした時に、違和感を発見(撮影のため、極端に再現したもの)
自転車仲間は、購入時からFDが悪いと思っていたのですが、このネジがずっと緩んでいたみたいでした
修理
一旦ばらして、隙間に入っていたゴミを取り除いて、しっかり締め付けました
ちゃんとした自転車屋で購入したから大丈夫は思い込みなので、不具合があった時は色々疑うべき
FD-5500使用せず
自転車仲間は、ケチがついたので、このままFD-5500は使用しないと判断しました
不具合解決?
FD-4500に交換したら、スペーサーなしでも、変速が改善しました
自転車屋で教えてもらった理想のFD角度にはならないが、明らかに変速が良くなった
FDが悪かったのが最大の原因
完成
無事完成したので、お気に入りポイントで記念撮影しました
納車
完成したCIOCC FALCOを自転車仲間に納車しました