【Vブレーキの効きが悪い?】カードリッジタイプのブレーキシュー交換&初期伸び調整で制動力を回復する方法

「最近ブレーキの効きが甘い気がする…」
そんな違和感を感じたら、Vブレーキのシュー交換とケーブルの初期伸び調整が必要かもしれません。
この記事では、DAHON ROUTEのカスタム車両を例に、カードリッジタイプのブレーキシュー交換手順と、
左右バランス・クリアランス調整までを実体験ベースで解説します。
この記事でわかること
- Vブレーキの効きが悪くなる原因(初期伸び・シュー摩耗)
- カードリッジタイプのブレーキシュー交換手順(M70CT4使用)
- 固定ピンの抜き方と左右の向きの注意点
- ケーブルの再調整とクリアランスの合わせ方
- Vブレーキの左右バランス調整のコツとネジの回し方
ブレーキの利きが悪くなった
先日ブルホーンハンドルに交換した”DAHON ROUTE”のブレーキの利きが悪くなったので、ケーブルの初期伸びの調整と、ブレーキシューの交換を行いました


初期伸び
新しいインナーケーブルに交換すると、1ヶ月程度で、ケーブルが少し伸びてしまいます
- ブレーキの利きが悪くなる
- 変速に違和感を感じる
新車購入やオーバーホールなどでケーブルを交換したら、1ヶ月点検は必ず行いましょう
カードリッジ
ブレーキシュー交換を行いやすいように、ゴムの部分だけを入れ替えます

M70CT4
箱の中には、交換ブレーキシュー(前後2対4個のゴム)と固定するためのピンが入っています

新品交換
本来、オーバーホールの時に交換しておくべきなのですが、ブレーキの調整に手間取って忘れていました
交換
本来簡単に交換できると思いそうですが、Vブレーキは簡単には交換しにくい
ケーブルを緩める
このダホンは、Vブレーキ+STIにしているので、ブレーキとホイールのクリアランスが少なく、リリース機能を使えません

5㎜アーレンキー
初期伸びの再調整もあるので、ケーブルを留めているネジを緩めて、ケーブルを開放します

干渉
フレームサイズの問題もあり、開放したブレーキシューを交換するためには、本体から外す必要があります

カードリッジ交換タイプのメリットはあまりない(交換パーツが安くはなる)
カードリッジ交換
取り外したカードリッジのゴム部分を交換していきます

ピンを抜く
ペンチなどでつまんで、固定ピンを引き抜きます

抜いたピンは再利用不可です
新旧比較
ブレーキングを繰り返しているので、表面が削れて、薄くなっています

こんなに厚みが違います

左右
シマノ製品は、間違えないように左右表記があります
固定ピン挿入
カードリッジのゴムを交換したら、外れないように固定ピンを挿入します

ペンチなどで、押し込みます

本体に戻す
前後の向きを間違えず本体に戻します

初期伸び調整
思うところがあり、スペーサーを入れ替えたので、止める位置が変わっていますが、しっかり止まります

クリアランス調整
よくVブレーキの調整は難しいと聞きますが、コツは簡単です
動かない方を締める
ブレーキをかけた時に、左右で動かない方があれば、動いていない方の調整ネジを締めます
- ブレーキが利く位置でケーブルを固定
- ブレーキレバーを引いて、左右動かない方を確認
- 動かない方の調整ネジを締める(クリアランスが広がる)
- 反対側の調整ネジを緩める(クリアランスが狭まる)
(3)(4)を繰り返せば、簡単に調整できます
※正ネジなので、反時計回り(左)が締める・時計回り(右)が緩める
※片方締めたら、反対側は同じくらい緩める必要がある
専用ブレーキも同じ
ヴェンジバイアスに装着されているブレーキも同じルールで調整可能

ブレーキまとめ
ブレーキの利きは命にかかわるので、ブレーキシューの交換は必須
寿命を守る
オーバーホールは2~3年程度で行うべきなので、その時に必ず交換しましょう
【まとめ】“ブレーキの効きは命に直結”——Vブレーキのシュー交換は定期メンテの基本
今回の作業では、カードリッジタイプのブレーキシュー交換と初期伸び調整によって、
制動力がしっかり回復し、安全性と快適性が向上しました。
特に、左右バランスの調整ネジを使ったクリアランス調整は、
“動かない方を締める・反対側を緩める”というシンプルなルールで、
初心者でも感覚的に調整できるのがポイント。
また、カードリッジタイプはゴム部分だけ交換できるため、
コストを抑えつつメンテナンス性も高く、
“定期的な交換でブレーキ寿命を守る”という意識が大切です。
次回は、ディスクブレーキとの比較や、
雨天時の制動力の違いについても掘り下げてみたいですね。
ブレーキは“止まるため”だけでなく、“安心して走るため”の装備です。