[ブレーキオイル漏れ問題]古いXTRをオーバーホール
MTBオーバーホール
何年も整備していない・ブレーキに不具合があるMTBバイクをあずかりました
汚れが酷いので、家に持ち込む前に洗車しました
状態の確認
駆動する箇所は、全部アウトなので、以下の箇所を交換します
- ヘッドパーツ
- グラベルはヘッドパーツへの負担が大きいのと、水洗いをすることが多いので、内部に浸水している可能性が高い(ゴリゴリなのでひどい状態だと予想)
- BB
- 回るパーツは基本ダメな場合が多く、これもダメ(ゴリゴリ)
- プーリー
- 妙な引っ掛かりがあり、削れすぎなので交換
- チェーンリング
- 街のりに使っており、アウター(3枚目)を多用しているので、ほぼ歯の山がない箇所がありました
- ケーブル類
- 当然交換
- グリップ
- 劣化しすぎてベタベタなので交換
- ブレーキの不具合
- 今回のハイライトと言っていい問題(オイル漏れ)
その他の問題点は予算の関係で目をつぶります
オイル漏れ問題
これを解決しないと先に進まないのです
解決方法
部品を調達して、修理していきました
SHIMANO XTR M960
2002年に発表されたパーツで、キャリパー部からのオイル漏れが起こると、補修パーツがなくシマノへ送らないと直せない部品でした
一体型のパーツでシリンダーの隙間を埋めるシール(パッキン)が劣化し、そこからオイルが漏れます
シリンダー・シールを外す
どうやって外すのかというと、オイルを充填して、何度も圧力をかけて押し出します
ブレーキシステムにオイルを充填して、オイル漏れ覚悟でブレーキを何度も引きます(キャリパーをビニールで包むなど対策してください)
ボタン電池のようなものが飛び出して外れました
外れた後に見える黒色のゴムのようなものがシールです(先の細いもので摘まむなどして外します
見た目では、痛みは分かりませんが、こいつがオイル漏れの犯人です
部品の調達
数年前まで、全く手に入らなかった部品なのですが、今はAmazonで買えます
まだまだ、この時代のパーツを使っているユーザーは多いので大変ありがたい
シール・シリンダーを戻す
交換するシール比較
見た目は全く分かりませんが、ゴムの張りが違います
シールをはめて、シリンダーを押し込めば交換完了です
左右ともに交換した方がいいのかもしれませんが、問題がないので片方だけ交換しました(シリンダーの動きを見ると、おそらくダメになるのは次も同じ個所な気がします)
動作チェック
オイルパイプをつなぎ直し、オイルを充填して、ローターを挟んで、オイル漏れを確認しました
何度もブレーキを引いても、オイルは漏れなかったので、問題解決しました
オーバーホール
いつも通り外せるものは外して、フレームなどを綺麗にしてから作業開始です
ヘッドパーツ交換
一昔前は、そこそこのグレードのロード・MTBでもヘッドパーツはママチャリと同じと言われていましたが、これもそうでした
下玉押し外し
専用工具を買わないからですが、外すのは大変です
最近、友人のチャリで何度外したかを考えると、最初に買えばよかった(もうないはず)
シールドベアリング
ヘッドパーツはシールドベアリングを採用したものを指定して送ってもらいました
下玉押しに切れ目が入っていて、圧入が簡単なんです
軽く上から押し込むだけ
ヘッドパーツ圧入
フレームに圧入作業は、あるのですが、アルミフレームなので、気楽な作業です
カーボンなら、割れないかひやひやですけどね
フロントフォーク取付
ヘッドパーツを取り付けたら、フロント周りを取り付けます
友人こだわりの赤色パーツです
ブレーキ取付
ブレーキホースは傷んでいないように見えるので、そのまま使いました
フレームにはタイラップ止め
キャリパー調整
リアホイールを戻したら、どうしてもローターがこすれます(シリンダーの位置が変わったためですね)
1㎜程度外側に移動したいので、スペーサーを挟むことにしました
以前、購入していたTRPのスペーサーです(サイクルベースあさひで取り寄せて1枚500円くらいだったかな?)
1mmのスペーサーを挟んでちょうどでした
昔のスポーツバイクは、こういう細かい調整するサードパーティ製品が多かったですね(大雑把な作りが多くて、それを調整できるのが自転車屋の腕と言われていましたね)
RD調整
プーリーが明らかに死んでいるので、新品と交換しました
新旧比較
削れ過ぎて山が痩せすぎです
XTR M960は逆?
変速のアップとダウンが逆なんですね
最初戸惑いました
変速ケーブルを張る
毎度のことですが、友人の発注するパーツは、別々にタイムラグが大きく届くので、再起に作業ができることから進めます
ケーブルを調整します(MTBなので少し可動部に余裕のある長さにしました)
この時代だけのデュアルコントロールレバー(評判悪かったらしい)
いったん完了
自転車のような形になった
自転車作業を行っていて、一番面倒なのは自転車の形になっていないものをどこに置いておくかです
自立しない2輪は扱いが面倒ですが、バラバラの自転車はもっと邪魔です(友人の作業はホイールがない状態が続いたので片付ける場所を確保できないし、簡単に移動できない)
チェーンリング交換
これはミスをしました
XTR FC-M960は専用設計で、既存のパーツがありません(古すぎて在庫がありません)
買ってから気が付いたので、大きなミスです(開封前なので返品しました)
このまま使う
このまま使って、本当にダメなったら、丸ごと交換です
BB交換
ホローテックの規格はずっと変わらないので、新しいものと交換です
スペーサーを右に2枚、左に1枚入れて取り付けました
チェーンを張る
チェーンリングを戻します
色々なメーカーのクランクを扱う機会があったので、シマノのメンテナンス性の高さは群を抜いていますね(カンパなどのトルク40Nmで締め付けとか普通ムリ)
新品チェーン
チェーンの長さを決めるのは毎回緊張します
変速問題なし
フロント・リア変速に異常はなしです
仕上げ
ハンドルグリップは新しいものに交換です
友人にとって大事なキャリアーを引くためのパーツ
リアエンドに取り付けました
完成
今回は試乗せずに友人に渡しました
時間の都合もあったのですが、雨が多かったので試乗するタイミングがなかっただけです
まとめ
古いMTB部品(オイルシステムが採用されたころ)のオイル漏れは、現在の環境ならDIYで修理可能です
Amazonで到着まで時間がかかりますが、安く購入できるので、古いパーツを再び使うことができます
20年前のパーツ
ほぼ4半世紀たっているので、正規のパーツを新品で手に入れることは不可能ですが、サードパーティ製(特に中国製)は、まだまだ手に入るので、レストア可能です
大事に使いたい
酷評されたパーツも今では歴史遺産だと思いますので、大事に使い続けたいと思います
MTBカスタム
MTBを改造した記録