ホイール関係
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【旧車レストアDIY】126mmエンドのクロモリロードを蘇らせる!シマノ105ベースでハブ自作&調整記録

みぞお
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美しいラグ、細身のパイプライン…手に入れた憧れのヴィンテージ・クロモリフレーム。ここに、信頼性の高い現行のコンポーネントを組み込んで、最高の“ネオレトロ”マシンを創り上げたい。

しかし、そこで全てのレストア好きが直面する、厚く、高い「壁」があります。それは、旧規格の「エンド幅126mm」と、現行規格の「ハブ幅130mm」という、わずか4mm、されど絶望的な4mmの差です。

フレームを無理やり広げる「エンド拡げ」は、最後の手段。では、どうする?

この記事では、そんなレストアの聖域に踏み込む、禁断の、しかし最もスマートな解決策を徹底解説します。現行のシマノ105ハブをベースに、アクスルを組み替え、ホイールを再調整することで、126mmフレームに完璧に適合するハブを“自作”するという、究極のDIYです。

これは、ただのパーツ交換ではない。ヴィンテージバイクに、新しい魂を吹き込むための、挑戦の記録です。

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レトロフレームレストア必須技術

レトロと呼ぶくらい古いフレームをレストアしようと思うと、高確率で遭遇する問題が、リアハブの長さが現在の規格より短いです(2013年に書いた記事ですが、この話も規格が古くなっています)

古い規格フレームでも、少しの工夫すれば新しいホイール使用可能

リアエンド126mmのフレームに対応

DAHON ROUTEのパーツをグレードアップしようと計画

妄想が現実に変わる瞬間──DAHON ROUTE(2013年モデル)の夢のカスタムプラン
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リアエンド幅126mm

リアエンド幅が現行130mmより短い126mmでした

鉄フレーム

クロモリフレームなので無理やり広げて対応させることも可能ですが、寿命が短くなりそうなので、126mm長ハブを作ってみました

リアハブ長一覧表

  • リムブレーキ(現行):130mm
  • リムブレーキ(オールド):126mm(120mmもある)
  • ディスクブレーキ(クイック仕様):135mm
  • クロスバイク・MTB(カンチブレーキ仕様):135mm

シマノ製はエンド幅加工可能(FH-5700)

DURA-ACEより下のグレードのハブ(2013年まで確認)は、ハブ軸を交換可能

ハブの左側のスペーサーを交換すれば、リアエンドの長さを調整することができます

ハブ入手について

今回の作業でのリアハブ対応状況

グレード低め

グレードの低いものしか新品ハブは手に入りません

ヤフオクなどで中古品を探す方が良いかもしれません

電動化

10速のDi2は外装(バッテリーなどは外付け)なので、ハブ幅が126mmのオールドフレーム(1970年代)で、電動コンポーネント(7900、6700シリーズ)を装着可能になります

ケーブルなどはタイラップ止めや圧着テープなどで固定すれば、見た目もスッキリします

11速化

残念ながら、5800以降は、スペーサーがボディ一体成型になっているので、交換は難しい

※当然、12速化も無理です

軽量化

32Hハブと24Hリムの組み合わせで、ホイール重量を軽量化できます

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エンド幅126mm加工

加工作業を行います(多少の誤差はOKくらいの気持ちで)

  • 座金の購入(スペーサー代用品)
  • 反フリー側(スプロケットなし側)のスペーサー交換
  • 玉当たり調整
  • フレームに装着(長さが合わない場合の対処法)

スペーサー調整

都合のよいスペーサーを見つけることができなかったので、ホームセンターで見つけた座金(ワッシャー)を代用品でつかってみました

105(FH-5700)スペーサー:6mm

購入した座金は、日本製なのでパッケージ記載通り2.7mmでした

1mm弱は多少の誤差は大丈夫だろうと、完璧を求めず作業を続行しました

ハブ軸は大体真ん中になるように位置調整して、玉当たりを調整しました

フレームに取付

あっさりとフレームに収まり、問題なく使用できました

フレームに合わない

リアエンドの幅が薄くて、ハブ軸が余る場合は、座金をスペーサー代わりにして、フレームの外側に挟んでください

レストアはクロモリ

126mmハブが必要なレストアバイクは、ほぼ間違いなく鉄フレーム(クロモリ)なので、少しぐらいの誤差で、フレームが狂わないと思います(断言できませんが・・)

カスタム・まとめ

古いフレームになるので素材は鉄(アルミやクロモリ)がほとんどです。多少はハブの締め付けで調整できます

完璧を求める人には向いていませんが、こういう方法もあるんだと参考にしてください

DIYで広がる、レストアの可能性

“フレームを守る”という選択肢

古いクロモリフレームは、素材のしなやかさゆえに130mmハブも入ることは入ります。
でも、フレームに無理をさせず、ハブ側で対応するという発想は、レストアの美学とも言えるかもしれません。

スペーサー選びは創意工夫の見せどころ

専用パーツが手に入らないなら、代用品で工夫するのもDIYの醍醐味。
今回はM10サイズのバネ座金をスペーサー代わりに使用し、フレーム外側に挟むことで調整しました。

“ちょっとのズレ”を許容できるのがクロモリの強み

126mmのフレームは、ほぼ間違いなく鉄製。
だからこそ、1〜2mmの誤差にも柔軟に対応できる懐の深さがあります。
もちろん断言はできませんが、今回の加工ではフレームの狂いもなく、無事に装着できました。

工具大事

メンテナンス・加工作業を行う場合、工具(道具)は良いものを選んだ方が作業が楽になります

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イレギュラー

手組を行う場合、32Hのハブが手に入りやすいですが、ホイールを少しでも軽くするために2:1組も試しています

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まとめ

今回は、ヴィンテージ・クロモリフレームを現代のコンポーネントで蘇らせる上で、最大の難関である「126mmエンド幅問題」を、現行ハブの改造によって克服する一部始終をご紹介しました。

シマノ105ハブからアクスルとスペーサーを抜き、寸法を詰め、そしてホイールのセンターを出し直す。地道で精密な作業の末に、旧時代のフレームと新時代のコンポーネントは、完璧に結ばれました。

この挑戦的なDIYから得られた、3つの確かな手応えを共有します。

  1. レストアの神髄は「創造」にあり 市販パーツをただ組み合わせるのではなく、存在しないなら「創り出す」。現行の信頼性と、旧車の美しさを両立させるこのハブ改造こそ、レストアという趣味の最も奥深く、楽しい部分です。
  2. ハブの改造は、ホイールの「再構築」と共にある ハブ幅を詰める作業は、必ずホイールの「センター出し(振れ取り)」とセットです。この2つをやり遂げて初めて、バイクはまっすぐ、そして美しく走ります。ハブの分解組立と、ホイールビルドの知識が、ここに見事に融合します。
  3. 最高の“いいとこ取り”が、ここにある クロモリフレームが持つ、しなやかで時代を超えた乗り心地。そして、現行コンポーネントが提供する、ストレスフリーで正確無比な操作性。この二つの時代の“良いところ”だけを享受できること。これこそが、この困難な作業の末に得られる、最高のご褒美です。

4mmの壁は、決して乗り越えられないものではありません。この記事が、あなたのガレージで眠る、美しいヴィンテージフレームを再び現代の路上へと解き放つ、その勇気と知恵の一助となれば幸いです。

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おっさんサイクリスト
自転車趣味歴だけは長いサイクリスト。レースは観戦するもので、自転車旅を楽しんでいます。西日本を中心に活動しています。
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